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第69話

last update 最終更新日: 2026-01-05 06:00:00

────

ようやく、この日を迎えられた。

チャペルのドアの前で、父と腕を組み、スタッフさんから入場の仕方を教えてもらっている。

そして、

「しばらくこのまま、お待ちください」と言われて待機する。

ふと、私は、父に挨拶していないことに気づいた。

「お父さん!」

「ん?」

「今までありがとうね」と言うと、

「あ〜そう言うのは、良いから、いつでも会える距離なんだし」と言う。

恐らく父もコレ以上言うと泣いてしまうと思ったのだろう。

「匠で良かったよ」と言うと、

「うん、ホントに匠くんで良かった。幸せになりなさい!」と言った。

「うん。これからもよろしくね!」と軽く言って隣りを見ると、父は既に、こっそり泣いていた。

「お父さ〜ん」と私もそれを見て泣いてしまった。

「あ、すまんすまん」

2人して泣いているので、スタッフさんが、そっとハンカチをくださった。

「ありがとうございます」

「あ、すみませんね〜」

「ハハハハッ」と顔を見て笑い合う。

慌ててメイクさんがメイク直しに来てくださった。

「それでは、ドアオープン致します」

「「はい」」

そして、ドアがオープンされると、大人数の人が来てくださっていて、とても驚いた。

「え!」

披露宴はしないので、親戚も呼ばなくて良いかと言っていたのに、それなら挙式だけでもと両家の叔父(伯父)さん叔母(伯母)さんたちが集まってくださった。

更には、友達もパーティーからの参加だと思っていた人も、ほとんどの人が挙式から出席してくださって、会社の上司や同僚も呼ばなくて良いかと言っていたのに、
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