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134 守りたい君の世界

Author: 缶小豆
last update publish date: 2026-11-04 05:00:00

「ダリウス、今までどこに消えてたんだ?カイルに聞いてもらってもダリウスがどこに行ったかみんな知らないというし……公爵領に帰ったのかと思ったぞ」

ダリウスに会おうと思っても、結局居場所は分からなかった。

「まさか樹海防衛部隊にいるとは思わないだろう。他の奴らはどうしたんだ?」

レオンハルトが問いかける。

「樹海防衛部隊を極秘部隊に戻していたんだ。樹海の魔物は増えても、錬金道具はアリエルかミレイユしか作れない。王都の街道用のやつは効き目が弱いから、隊員を俺の防御魔法で守っている状態だ」

ダリウスは眠るアリエルの手をそっと撫でながら、淡々と答える。

「でもそれも限界があって、結局、ほとんど一人で魔核を取りに行っている」

「一人で?」

レオンハルトは思わず目を見開いた。

自分はかつて、ヘルカーン一匹にすら泣かされたというのに。

しかも魔核なんて、一つの魔物に一個しか取れない。

「兄はどうしてるんだ?」

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    レオンハルトとミレイユは、アドリアンからの言葉をお互い意識しすぎて、アドリアンの家を出てから無言で帰路についていた。アドリアンめ――レオンハルトは苦々しくも、的確な指摘にぐうの音も出ない。アリエルは、まだダリウスの名前を知るところから始める。 昔の記憶もなく、ダリウスに再び恋心を持つかどうかも怪しい。 むしろ、前はどうやってダリウスに恋をしたのか知りたいぐらい、今のアリエルは感情に乏しかった。そんな二人の恋の成就と結婚を待っていたら、いつになっても自分とミレイユの仲が進展するとは思えなかった。 そんな悩みなんて、アドリアンには全部見透かされていたみたいじゃないか。「師匠とダリウスの恋は十年以上の積み重ねで出来ていたものなんです。また一からなんですよね……あの二人……」ミレイユは、無言の道のりを破るように、レオンハルトに呟いた。「う、うん。焦らせてはいけないけど、確かに二人の結婚を待っていたら、俺たちが婚期を逃してしまうかもしれないよね」レオンハルトは、冗談のように笑い飛ばして話をしようとした。 だが、再び何かを考えるように黙り込むミレイユに、どう声をかけていいかわからない。自分たちはお互いの想いも伝え合って、両思いだ。 何度もレオンハルトから結婚したい話も伝えている。 本当に後はタイミング。 だが、アドリアンから言われて仕方なくというのではなく、ミレイユがその気持ちになった時に結婚したいと思っていた。だけど……本当は、ミレイユと早く結婚したいなあ。レオンハルトは、ちらっと隣を歩くミレイユを盗み見る。◆ミレイユもまた、考えていた。師匠が意識を取り戻した後からもいろんなことがあった。 まず、アドリアン様に賛同したレオンハルトさんは、騎士を辞めると爵位までも返上する意思を示した。 そして、王家が必死に慰留するような人物だったが、迷わず国の騎士団長という名誉ある仕事を辞めてしまった。更には、大きなタウンハウスを手放し、世話にな

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    「ダリウス、今までどこに消えてたんだ?カイルに聞いてもらってもダリウスがどこに行ったかみんな知らないというし……公爵領に帰ったのかと思ったぞ」ダリウスに会おうと思っても、結局居場所は分からなかった。「まさか樹海防衛部隊にいるとは思わないだろう。他の奴らはどうしたんだ?」レオンハルトが問いかける。「樹海防衛部隊を極秘部隊に戻していたんだ。樹海の魔物は増えても、錬金道具はアリエルかミレイユしか作れない。王都の街道用のやつは効き目が弱いから、隊員を俺の防御魔法で守っている状態だ」ダリウスは眠るアリエルの手をそっと撫でながら、淡々と答える。「でもそれも限界があって、結局、ほとんど一人で魔核を取りに行っている」「一人で?」レオンハルトは思わず目を見開いた。自分はかつて、ヘルカーン一匹にすら泣かされたというのに。しかも魔核なんて、一つの魔物に一個しか取れない。「兄はどうしてるんだ?」不機嫌そうにアドリアンが割って入る。ダリウスは、首を横に振った。「父も俺も話はしているが、兄の上級貴族意識は変わらない。今は魔導炉の担当をしている。兄が選んだ元魔術師を、育てつつやっているが、魔核が足りない上に、魔導炉を整備できる人がいない」長く高濃度の魔核を入れ続けた結果、魔導炉から王都へ向かう魔力がうまく送られていないという。やがてダリウスは、王太子のことにも触れた。「王太子のエリオットは10歳だ。アルベルトでは、考えに偏りが起こることを危惧して、父が直接教育することになった。ただ、まだ10歳だ。父親と引き離されたと思ってずっと泣いている。実父のことや離した理由も説明はしているが、理解できる歳じゃない」「それは、かわいそうだな」レオンハルトは思わず呟いた。「歪んだ愛情を注がれるよりはマシだが、慣れない王城に連れて来られ、父親と離されるだけでも不安だよ」更には、お前の本当の父は幽閉された王だと告げられ、突然王になるための教育が始まるのだ。

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