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52.哀愁

Penulis: 中道 舞夜
last update Tanggal publikasi: 2026-03-01 19:03:04
遥side

住吉商事の監査終了を翌日に控えた夕暮れ。

終業の時間を迎えると、すぐに施錠して会議室をあとにして、一階エントランスで待機していた月島家の送迎車に乗り込み、本革の後部座席に身を沈めた。

「遥さん、今日もお疲れ様でした。連日のハードスケジュールに加え、明日のヒアリングの準備までしてくれて助かりました。……それにお疲れのところを夜まで無理に付き合わせてしまって、本当にすみません」

隣に座る月島さんが申し訳なさそうに眉を下げて私を見つめた。

「いえ、とんでもない。むしろお誘いいただいて光栄です。それにしても、経営者の方ってお忙しいのですね」

「はは、ハリーは忙しい状況を楽しむタイプなんです。思い立ったらすぐに行動しないと気が済まない嵐のような人ですよ。『突発的なトラブルや変化こそが、人生に充実感を与えるんだ』なんていつも豪快に笑っています。秘書や同行するスタッフは、彼のスケジュールに振り回されて大変でしょうけど……まあ、私もその一人ですね」

そう言いながらも、月島さんの表情はとても楽しそうだった。きっと振り回されていると感じる以上に刺激や感銘を受けたり、いい想い出が多いのだろう。ハ
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