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第1534話

桜夏
峠となる危険な三日間を乗り越え、四日目になって、新井のお爺さんはようやく一般病室へと移された。

ただし、依然として言葉を発することはできず、手足の動きが少しスムーズになった程度だった。

それでも、蓮司にとっては十分すぎる吉報だった。彼は病床の傍らに座り、祖父の手を固く握りしめながら、もう片方の腕で絶えず涙を拭っていた。

ベッドの背もたれが起こされ、新井のお爺さんは少し体を起こした状態で座っていた。

そして、孫が鼻をすすり、ボロボロと涙を流すのを見つめていた。もう二十五、六にもなる大人の男のくせに、まるで子供のようだった。

もし見知らぬ他人がこの場にいれば、この男が新井グループを一人で取り仕切る立派な後継者だとは、誰も信じないだろう。

新井のお爺さんは何か言いたかった。この情けない孫に向かって、まだ死んだわけでもないのに泣くな、と。

だが今は声が出せないため、ただ静かに蓮司を見つめることしかできなかった。その老いて濁った目には、深い愛情と優しさが宿っていた。

蓮司はひとしきり泣いた後、今度はあれこれと反省や誓いの言葉を並べ立て、大げさな約束までいくつも口にし始めた。

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