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第1627話

Author: 桜夏
執事の案内に従い、一行は控室へと移った。蓮司もその後を追う。祥平と美佐子が透子に食事を届けに来たついでに、自分の分まで用意してくれていたことに、蓮司の胸には言葉にできない感謝が込み上げた。

「橘おじ様、橘おば様、ありがとうございます」

蓮司は礼を言い、保温弁当箱を受け取った。当然のように透子の隣に座ろうとしたが、美佐子がすかさず娘のそばへ腰を下ろした。祥平も一番端の椅子を引き、蓮司へ視線を向けた。

「蓮司は、ここに座りなさい」

ここまで露骨に意図を示されて、気づかないほど蓮司も鈍くはなかった。

本当は透子の隣に座りたかった。だが、彼女の両親が揃っているうえに、食事まで持ってきてもらったのだ。これ以上望むのは贅沢というものだ。

蓮司はテーブルの一番端に座った。透子と同じ側ではあるものの、彼女はずっと奥に座っており、その間には美佐子と三、四席の空席がある。

蓮司が横目でそっと視線を送ると、美佐子が体を斜めにして娘の姿をすっぽりと隠してしまっていることに気づいた。隙間ひとつなく、透子の髪の毛一本すら見えなかった。

美佐子は透子の世話をするために残り、祥平は執事に新井のお爺さん
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