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第274話

Author: 桜夏
蓮司がどうして自分を好きになったのかは分からないが、一ヶ月前まで、彼は美月とあんなにべったりしていたのに。

先週の金曜だって、あの一億円は彼が美月のために払ったものだ。

そう思うと、透子はさらに冷静になった。

そして、先ほど心によぎった蓮司の自分への好意という考えを、完全に覆した。

それどころか、反吐が出そうになり、嫌悪感で気分が悪くなった。

透子は理恵に翼が近づく動機を考えるなと忠告したばかりなのに、結局は自分も深入りしてしまい、危うく我を失いかけた。

もちろん、心が揺らいだわけではない。ただ、蓮司が自分に好意を持っているなどと、考えるべきではなかったのだ。

一ヶ月前にはまだ別の女のベッドにいた男が、あっという間に自分に泣きながら告白し、愛を訴えるなんて……

こんなクズ男、本当に吐き気がする!

彼に弄ばれている、と透子は感じ、腹が立ち、怒りがこみ上げてきた。

執事と話し合い、昼食の時間になると、彼女は身支度を整えて階下へ食事に向かった。

エレベーターの中。

何人かの管理職と鉢合わせし、透子が挨拶をすると、彼らが自分を見る目がどこかおかしいことに気づいた。

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Comments (1)
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良香
金の為、って言い放った方が一番リアルだったんだよ。二億の出資。契約期限中の配当金支払い、これは嘘じゃないし、会社の誰にも真実は確かめようがない。いっそ、愛だの恋だのじゃなくてただ金の為、って言ってたら誰も巻き込まず済んだのにね。
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