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第640話

مؤلف: 桜夏
理恵は鼻をすすりながら言った。「よかった、やっと目を覚ましたのね」

理恵が透子の視界を完全に塞いでいるのを見て、蓮司は彼女の後ろに立った。

何か声をかけたかったが、気遣う言葉はすべて理恵に先に言われてしまい、今さら口にするのは野暮に思えた。

それに何より……透子が自分を見たくないのではないかと、恐れていた。

蓮司は静かに息を呑み、ただ愛情のこもった眼差しで彼女を見つめた。その顔には、隠しきれない心配の色が浮かんでいる。

良い知らせは、透子が自分に気づいたこと。

そして、悪い知らせは……

透子がすぐに目を閉じ、顔を背けてしまったことだった。

蓮司は喉が詰まって言葉も出ず、無意識に拳を握りしめ、体をこわばらせた。

透子はやはり……少しも自分を見たくないのだ。

心臓が締め付けられるように痛み、息もできないほど苦しい。蓮司は目を伏せ、奥歯を噛みしめた。

彼の悲しみに気づく者は誰もいなかった。すぐに医師がやって来て、患者の診察を始めた。

理恵は、蓮司が立ち尽くして邪魔になっているのを見て、手を伸ばして彼を引っ張った。その拍子に、大柄な男性は二、三歩よろめいた。理恵は慌てて
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