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第663話

Auteur: 桜夏
聡は眉を上げ、意地悪く言った。「また橘家からもらう金で、朝比奈を見張らせて、二度とお前に手出しさせない、っていう取引でもするのかと思ったぜ」

透子は言葉を失った。

理恵は、理解できないといった様子で尋ねた。「それなら、新井だってあなたに借りがあるじゃない。どうして新井家のお金をもらわないのよ」

透子は、穏やかな表情で答えた。「このこじれた関係は、自業自得なんだ。もし、あの時私が欲張らなきゃ、こんな苦しい結果にはならなかった」

新井家には、彼女に何の負い目もない。自ら望んで嫁いだのだから。

それに、蓮司に傷つけられた件にしても、その多くは美月が先に仕掛けたことだった。

彼女は、蓮司が美月を愛していることを知っていた。だから、何があっても彼は美月の味方をして、自分を攻撃してくるだろうと。

そのことをよく分かっていた。あの時、自ら泥沼に足を踏み入れてしまったのだ。

それに、何よりも大事なのは、自分の力だけでは蓮司から逃れられないが、新井のお爺さんは彼女の味方であり、助けになってくれるということだ。

一方、美月については、橘家は間違いなく彼女の味方であり、自分の味方にはならな
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