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第873話

Penulis: 桜夏
昼間よりも意識ははっきりしている。静まり返った病室で、透子は重い瞼をどうにか半分だけ持ち上げ、ぼんやりと周囲を見回す。

ここは病院……自分は、助かったのだろうか。

脳裏に焼き付いているのは、あの連中の罠にはまり、妊婦を装った女にスタンガンを押し当てられた、あの光景。

それと同時に、死の淵を彷徨っていた時に聞こえた、家族からの呼び声も……

その時、病室のドアが開いた。足音に気づいた透子がかすかに顔を横に向けると、医師が入ってくるところだった。

医師は透子が目を覚ましたことに気づいたが、昼間のような混乱を避けるためか、まずは彼女の状態を確認することを優先する。

「患者様のバイタルは安定しています。昼間よりも、かなり良くなっていますね」

看護師の報告に医師は頷くと、透子に視線を移した。透子もまた、じっと医師を見つめ返す。

誰に助けられたのか。それを聞きたいのに、声を出そうとしても喉がうまく動かない。そんな彼女の様子を察し、医師は静かに言った。

「今は無理に声を出したり、体を動かしたりしないでください。回復は順調ですから、詳しいお話は明日にしましょう」

透子は頷こうとしたが
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