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第11話

Penulis: 大儲け堂
「そして、もともとこの写真を週刊誌に売って私を貶めたのも紗耶香さんです。チャット履歴も送金記録も、証拠はすべて二つ目のファイルにまとめてあります」

初芽ははっきりと言い切った。「紗耶香さんは私の権利を深刻に侵害し、個人として大きなダメージを受けました。すでに法的措置を取っています」

ちょうど紗耶香がこの配信を見ているだろうと思い、さらにこう付け加えた。

「弁護士は腕のいい人を探した方がいいですよ」

ネット民がこの話題で盛り上がっている最中、また新たなニュースが駆け巡った。

【パパラッチが紗耶香と既婚男性の不倫証拠を公開!】

【映像は少しぼやけてるけど、この男は誰?】

コメント欄が一気に盛り上がり、視聴者たちはみんな面白がって他の配信に流れていった。でも再び戻ってきたときには、すでに初芽の配信は終了していた。

初芽のSNSのプロフィールには、現事務所との契約解除通知と、紗耶香への訴訟状がしっかりと固定されていた。

美琴のSNSトップには、現事務所との契約解除通知と、紗耶香への訴状が掲載されていた。

【#超特大のどんでん返し!実は美琴が被害者だった!】

【#紗耶香、契約解除で巨額の賠償リスク!】

紗耶香もなんとか反撃しようと、必死で他人の悪口をネットにぶつけようとしたが、気がつけば、周りの人間は誰も彼女に近づこうとしなくなっていた。

知り合いも赤の他人も、誰ひとり紗耶香に関わろうとしなくなった。理由を聞いても、みんな腫れ物に触るみたいな顔をするばかり。

体を使って手に入れたはずの仕事も全部取り消されて、結局何もかもが白紙に戻った。

フォロワー数もついに底をつき、残ったのは動きのないゾンビアカウントばかり。

ネットからも芸能界からも、完全に干されてしまった。

会社からも追い出され、すべてを失った今でさえ、紗耶香には自分をここまで追い詰めた「黒幕」が誰なのか、最後まで分からなかった。

一方、すべてが片付いた頃、美琴は退院の準備をしていた。

手首はまだ無理ができず、日常生活も不便だったため、思い切って実家に戻ることにした。

実家は市内屈指の高級住宅街にある一等地。数十億を超える豪邸で、不動産サイトにもめったに出ない希少物件だ。

そう、美琴はれっきとしたセレブお嬢様。

だから、システムに文句を言わなかったのも無理はない。

この体は命
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