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第14話

Auteur: あかりが私
緩やかな音楽が流れ始め、ダンスの時間が幕を開けた。

蒼淵が、遥に向けて静かに手を差し出した。遥は一瞬だけ躊躇し、その手の上に、そっと自分の指先を預けた。

二人は、ダンスフロアの中央へと滑り出ていった。周囲から、いくつもの視線が一斉に集まる。

「蒼淵くんが、ダンスを踊るなんてね」

「しかも、あんな見惚れるような女性を連れてだ。彼にもついに春が来たらしい」

遥は、頬をかすかに色づかせた。だが蒼淵は、余裕の笑みを浮かべて遥を見下ろし、音楽に合わせて軽やかにリードしていった。

柔らかく落とされた照明。翻るドレスの裾。その何秒間か、遥は周囲のすべてを、本当に忘れそうになった。

やがて、音楽が変調し、パートナーを交換するパートへと移っていく。

その瞬間だった。

背後から、力強い腕がためらいなく伸びてきた。遥の身体は、蒼淵の手の中から強引に奪われ、別の胸元へと引き寄せられた。

遥は不意に、かつて嫌というほど馴染んでいた匂いと体温の中に閉じ込められた。顔を上げると、苦悶に歪んだ雷星の瞳と真正面からぶつかった。

――ようやく取り戻せたはずの静かな呼吸が、その一瞬で乱された。

代わ
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