Share

第六十三話

last update publish date: 2026-09-14 22:37:52

第六十三話

取材メモから次を探していると、母さんに関する疑問を抱いた。

魔女様が母さんに雪女を使役させるということなので、中継(なかつぎ)さんに質問した。

「中継さん、もし人魚に肉を食べてない状態で雪女を使役することって可能なんですか?」

中継さんは首を傾げて答えた。

「どうしてそんなことを聞くのか分からないけど、雪女の場合は食べないと使役は無理だよ。確実に凍死するよ」

ということは母さんは人魚の肉を食べさせられるってことになるじゃないか!

「中継さん、ありがとうございます! 朱莉、今すぐ魔女会に戻ろう!」

「それは良いけどここからだとだいぶ距離あるよ」

「雲外鏡を使う。……中継さん、使い方教えてください!」

今すぐ教えてもらわなければ、間に合わない。

もっと詳しく魔女様から聞いておけばよかった。

母さんまでこの苦しみを味わうことになるのは、避けないといけない。

だけど、そうしたら母さんの記憶が……。

「雲外鏡使いたいなら、まず場所を思い浮かべて飛び込むだけ、簡単でしょ」

どうしよう、焦りすぎて上手く思い浮かべられない。

「朱莉、ちょっと上手く思い浮かべられなくて……代わりに頼めない
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 魔葬少女【連載版】   第六十七話

    第六十七話「ふぁ~メモに記されたお店はここで合ってるよね~?」朝倉さんに確認された僕はメモを見せながら合っていると答えた。「なんだか~、前に来た時と雰囲気変わってるね~」朝倉さんの気怠げな雰囲気には少し気持ちが楽になる。高槻さんが思いっきり扉を開き、お店の雰囲気を見るも無惨に破壊した。「朱莉、赤の他人ってことに出来ないかな」「無理だと思うよ風香ちゃん。だってこっちに手を振ってるし」「だよね。ものすごく視線が痛いんだけどどうにかならないのかな」「安心して風香ちゃん、私も痛いよ」魔葬少女の日常から一時的に離れたとは言え……やっぱりこの生活を朱莉やみんなと一緒に過ごした。こんな幸せな時間を。そう考えても無駄だということは、今の僕が一番理解している。ならば、せめて元の生活に戻るまでのこの片時の平穏だとしても楽しもうじゃないか。「朱莉、行こう。高槻さんと朝倉さんのところに」満面の笑みで答えてくれた朱莉をつれて僕は朝倉さんたちに教えてもらいながら茶葉を選んでいる。「お茶ならこの天竜茶とか、香りも味も楽しめていいと思うよ~、少し甘めだから濃いのが好きな子には狭山茶とかいいんじゃないかな~。紅茶なら、甘いのだったらはちみつ紅茶かな~、しっかりしたのが好きならアッサムとかいいんじゃないかな~」なるほど、さっぱり分からない。けど、作ってみんなで飲んでみよう。「朱莉は何か飲みたいのあるの? あるなら僕が買うけど」朱莉は首を傾けながら、アールグレイの茶葉を手に取った。「これかな?」朱莉の選んだアールグレイの茶葉と朝倉さんから勧められた茶葉を買った。……流石にティーカップは僕と朱莉で選ばないと、買い出しにならないよね。「あの、朝倉さんカップは僕たちで選ばせてくれませんか?」ここにならティーカップ以外にも湯呑みなども売っている。色々買って文化祭委員の柏田さんが選べるようにしよう。まあ完全な僕と朱莉の好みになるけど許してくれるよね。そして様々なカップを購入した僕と朱莉は高槻さん、朝倉さんと別れ学校に戻ろうとした。「…………二人ともなんでついてくるの!? ついてこられても学校には入れられないよ!」少し強めに伝えても高槻さんたちには効かなかった。「安心してくれ、私はこの高校に推薦で入学することになっている。許可さえもらえれば入ることが可

  • 魔葬少女【連載版】   閑話その19

    閑話その19私のお婆様は突然溶けて亡くなられた。そう聞かされていましたが、初めの頃はどうも信じることがどうも出来なかった。そんな戯言に付き合う義理なんてこれっぽっちもないと、そうたかを括っていたというのに……その方がマシなんじゃないかとそんな屈辱的なことを考えてしまう。「雛如きにあんな殺され方をされてることが許されるはずがないのよ!!」その瞬間に私の恨みに対して世界が呼応したのよ、それが今のこの姿なのよ!!魔物みたいな惨め姿ではなく、極められたこの造形こそが世界が私を認め証しに決まっている。魔法を使うほど強くなる感覚……生きていた時とは正反対で、魔法を使い続けるのがこんなに快感だったなんて思いもしなかったわ。その点あの雛には想像すら出来てないでしょうね。あの雛を跪かせるこの機会を逃すわけには行かないわ、絶対にね!他人がどうなろうと今や関係ないですもの、使いたい放題なんですもの!「朝倉先輩お久しぶりです!」この愚図は誰だったかしら?まあいいわそんなことどうでもね。「"哭きなさい双天宙(そうてんちゅう)"」地面がないぐらいで這いつくばるなんで人間とは愚かな生き物なのだな、私も以前はその人間なのかと思うと穢らわしくて仕方ないですわね。夢の中では何の意味もないことは、殺されて学びましたわよ。利用出来るものなんでも利用する、いいえ相手から私を必要とするのが目に見えていますから私は何もしなくても世界が動くものなのよ。それはこの姿が証明してるのだから!私は堕ちて魔物になったのではなく、霊としてなった部類になるのでしょうね。恨みであの世に行けなかったということなのでしょうね、ですがそんな矮小なこと今の私には関係ありませんのよ!「愚図共、この私に恐れ慄きなさい!! "双地転"」天と地を回転させるなんて芸当この私にしか出来ませんわよだというのに、空虚さを感じてるのは何故でしょう?何かが足りないなどと、この私が感じるわけがありえない、あってたまるものですか!……何よこの記憶は、私が死んだ後の出来事だというの?私に流れ込んできたのは雛二人が私を探している光景と……私の肉体が残っていないことだった。肉体がなかったら、私が上だと永劫に証明出来ないじゃない!!私は骨になっても必ず跪かせる存在なのですから!それに何故お婆様が…………生きて

  • 魔葬少女【連載版】   第六十六話

    第六十六話僕と朱莉は文化祭の準備をするために学校に戻ってきた。この風景すらも何故か懐かしく思えてならないのは、日常から離れすぎた影響だというのは言うまでもないか。この日常に朱莉と共に戻る、この風景が僕たちの魂の誓いを強固にするには充分すぎるものだ。「もう、秋口さん、利根島さんどこ行ってたの!?」苦言を呈しながら駆け寄ってきたのは委員長の早崎美優(はやさきみゆ)さん。少々お節介が過ぎるところもあるけれど、クラスの皆から信頼されている。一人を除いてという注はつくけれど。その一人というのが、副委員長の綾瀬蘭(あやせらん)だ。犬猿の仲とはこのことを言うのだろうと一目で分かる。「ちょっと美優、どうして必要と言われてからと羅針盤を買ってるのよ! どう考えても従者喫茶には必要ないでしょう!」「佐々木くんが航海好き設定の執事をしたいから必要だと言ってたから買うのは当然じゃない!」「それで予算使い果たしたらどうするのって言ってんのよ!」「そうなったら私の貯金を使うから大丈夫だから」「そうね、美優の馬鹿みたいに貯めた貯金なら足りるでしょうね。そのために私がどれだけ貯金を切り崩したか分かっているの?」「……それを言われると心が痛むけど、今回はこの文化祭を良くするためだから、またいつもみたいに付き合うからそれじゃあダメなの?」……とまあ目の前で、行われているこの光景だ。「朱莉行こう。僕たちのここでの仕事をしよう」僕と朱莉は買い出しのために校門をくぐり文化祭委員の柏田さんから渡されたメモに記された場所に向かっている。そう僕たちは買い出し担当に……なっていた。いない間に決まるとは聞いてはいたけど、任務中だった僕たちには当然だ。さて、僕たちが買うのは、茶葉とティーカップ……って言われても詳しくないから余計に悩む。朱莉との……みんなとの思い出を作っておきたい。「二人で茶葉とティーカップを選ぼ…………」僕が言いかけたその時に、"振り切り"を思い出させる声が耳に入ってきた。「煮えたぎっているか、二人とも!」振り返ると高槻さんが、知らない女性と共に手を振っていた。「高槻さん、何故ここに? それに隣の人は誰なんですか?」僕の質問に高槻さんではなく、隣の女性が欠伸をしながら気怠げに答えた。「ふぁ~、アタシは朝倉凛子だよ~。眠気、それがアタシの使って

  • 魔葬少女【連載版】   第六十五話

    第六十五話篠原さんが言っていたあやかし少女が人身御供だということを僕は知らなければならない。「篠原さん、人身御供ってどういうことなのか教えてくれませんか!」篠原さんは呆れて言葉を失っていた。「ふざけてんのか風香、儀式の時に聞くものだろうがよ」その言葉に僕は納得してしまった。人魚の肉を食べてからやったことは朱莉を喰らっていた中継さんの頭を魔法で創造した槍で貫いたことだけだ。だとしても朱莉が喰われているのを目撃するまで意識がなかったことに変わりはないんだ。「大切な恋人が喰われている光景を見て冷静に聞けなかったことは正直に認めるけど、僕は…………」言いかけているのを篠原さんに割って入られ蔑まれた。「その顔を見るに本当に聞かなかったのか。…………はぁ、このままだと利用価値が下がるじゃないか、頼むから鹿波のためにも下げないでくれ」篠原さんの言葉に朱莉が言い返したけど、さっきの僕みたいにされないかが不安で仕方ない。「私が中継さんに食べられてたから、風香ちゃんは聞けなかったの……悪いのは私なの。だから風香ちゃんは私を思って助けてくれただけなの、だから悪く言わないで」朱莉の言葉の直後、浅霧さんから今まで感じたことのない焦燥感を感じ鬼を呼び出し僕と朱莉を守るように頼んでいた。鬼に覆われ周囲が見えない中、篠原さんの叫喚とすら感じる声が聞こえた。「咎の娘が誰かを思って行動しただと……ふざけるな、ふざけるな!! 壊した側が愛を語るなぁぁァァアァアア!」覆われている中で、霧谷さんが僕と朱莉に急ぎ足で人身御供の意味を説明してくれた。「人身御供とは、不老不死の少女に呪いと穢れを取り込み管理し人々を守るための存在それがあやかし少女なのさ!」周囲の景色が目に入った瞬間、現実かどうか分からなくなってしまった。「ねえ朱莉、あの赤い湖の場所って……さっきまで町だったよね」見渡す限りの数キロの景色は篠原さんを中心にえぐれ赤い湖がいくつか出来ていた。僕は考えたくなかった、その湖がなんなのかを、考えたら分かってしまう。どれだけ考えを振り払っても、あれが血で出来た湖だと理解してしまい、無意識のうちに朱莉の手を握っていた。浅霧さんは篠原さんを目がけ地面を抉りながら走って行った。「何をしているんだ冬子ぉぉぉ!!」何かが弾ける音が聞こえたと思ったら、篠原さんの顔を浅霧

  • 魔葬少女【連載版】   閑話その18

    閑話その18毒島先輩から任された洞窟は溶けちゃったけど、良い子に出会えてよかった~。そういえば毒島先輩のあの言葉って本当なのかな?『凛子、ここでは咎様に歯向かうために私の感情を混ぜ込んだ魔物を大量に生み出すから番人として任せる。今度は雛には口答えするなよ、次は凛子を(面白がっている観察している咎様から)守りきれるか分からないんだからな』毒島先輩の魔物だから美味しくいただきましたよ~。殺す時の眠気を吸収するほど強化されるのが、すごい便利~。でもさすがに~、咎様には知られてないだろうから安心して寝られるね~。こんな下っ端のことを知ってるわけないよね~。毒島先輩も気にしすぎだよね~。「本当にこのベット……気持ち……良い」「おい、凛子っ! ご飯を持ってきたというのに寝ている場合か!」あれ、この声は「ふぁ~、おはよう深春ちゃん……んん、あと五分だけ寝させて」「ダメだ!! 作った側の美味しいうちに食べてほしい気持ちが分からないのか!」「それもそうだね~、いただきま~す」何これ~、こんな美味しい味噌汁飲んだの初めて~、ご飯が進みすぎちゃ~う濃厚な味噌の風味にシャキッとした食感の刻みネギとワカメに包まれたベーコンの旨味がここまで合うなんて……。このコリコリした感触ってもしかして「深春ちゃん、これって軟骨?」「そうだ! これなら歯応えも楽しめよく噛むことで満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを防げるだろうと思ってよく入れているのだ」寝床とこんなに美味しい食事が毎日食べられるなんて~、ここは天国か何か~?「そんなに口に入れていると喉を詰まらせるぞ凛子」美味しい朝食を食べ終えたアタシは深春ちゃんと一緒に魔女会ってところに向かったよ~。「高槻さん、この方どうされたのですか?」深春ちゃんはアタシのことを包み隠さず話した。八分後「今すぐに私共から魔女様に報告致します。登録はこれにて完了です」「深春ちゃん、登録ってこんなに早いんだね~」「そうだ。登録の簡単さなら受験よりも圧倒的に上だからな」「この魔女会の依頼っていうので、深春ちゃんは洞窟に来たんだね~」この依頼ってもの、色んなものと出会えそうで良いものなのかも~「今達成済みの欄に貼っている洞窟依頼があるだろう。それで向かったことで合っているぞ!」アタシは依頼を見ているうちに達成済み依頼の

  • 魔葬少女【連載版】   閑話その17

    閑話その17今日は依頼を受け、正式勢の魔物共が跋扈する洞窟へ私は来ている。数はそこそこ居たのだが、根を上げる輩が多すぎる。「この程度で根を上げるな! 貴様らはそれでも正式勢の魔物か!」私は大きく息を吸い、放った。「喝っ!!」破裂音と共に、魔物共が根を上げた。所詮はこの程度なのか、もっと熱い相手に出会いたいものだな!そう考えていた私の前に人型の魔物が姿を見せた。「ふぁ~、せっかく気持ちよく寝てたのに邪魔しないでよ~。……うわぁ、君の周囲の暑苦しい空気苦手だわ~、今帰ってくれるなら殺さないけどどうする? アタシ的には帰ってほしいんだけど…………」「貴様は何者だ!」「ちょっとこっちが話してるのに、攻撃しないでよ~」こいつ、私の攻撃を弾いただと……面白いではないか、これぞ。「熱いではないかっ!! 燃えてくるぞ!!」「ちょっと、洞窟溶けてんだけど何してくれてんの!? アタシの寝床がぁぁぁ!」魔物は膝を崩し泣き喚きながら地面を叩き始めた。「貴様の本気を見せてみろ」「もうしょうがないな~、って言っても私十五期だからそこまで強くないからね、後輩ちゃん」魔物は臨戦態勢をとったが、私は疑問に思ったことをぶつけた。「十五期とはなんだ、話を聞かせろ。それまでは何もしないと約束するぞ! それに良い寝床も用意するぞ!」すると魔物はオットットなどと呟きながら転けそうになっていた。「せっかく本気出そうと思ったのに、削がれちゃったよ~。それに寝床が手に入るならそっちを優先するよ~」「睡眠は成長に大切だからな、壊してしまった責任は取らせてもらう!」「君良い子だね~、気に入ったよ。説明させてもらうとね、ふぁ~……んん、眠たい」魔物は首をコクリと何度前後させ見るからに眠たそうにしている。「私が眠りを邪魔したせいだな、すまない」私は腰ポケットに入っていた眠気覚ましの飴を渡した。「ありがと~、君って本当に良い子だね。早速舐めても良い?」「舐めても良いから渡したのだ」「いただきます~、それで十五期っていうのはね~…………」魔物が説明したものは、創世記の魔葬少女としてのラベルのようなものだった。荒川咎という人物が魔葬少女を作ったとこの魔物は説明していたが、それが事実ならばこれほど蒸し暑いことはない。私たちは掌の上で転がり溶かされるチョコのボールとい

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status