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第49話

Auteur: 花辞樹(かじじゅ)
例外なく、どの部署も多少なりとも赤字を出していた。

幹部たちは息を殺し、首筋には冷たい汗が滲んでいる。

コトン――

蝶がひらりと舞い降り、会議テーブルの上にとまった。

渡は目を細め、落ち着いた声で言う。「これは昨年度、みんな各部署の収益状況だ。説明しろ」

場の空気は凍りつき、しばらく沈黙が流れる。数秒後、渡の右隣に座る営業部長が、恐る恐る口を開いた。「黒瀬社長、業務目標はきちんと部下に伝えておりますが、その……現場の人間が……」

「ふっ……」渡は眉を上げて笑った。その端正な顔立ちに、ぞくりとするような妖しさが宿る。

彼が立ち上がった瞬間、空気が一変した。圧倒的な存在感が会議室を支配し、みんなの背筋がさらに凍りつく。

ボスが自分に向かって歩いてくるのを見て、発言した部長の顔色はみるみる青ざめていく。

次の瞬間、渡の手が彼の肩に置かれた。

四十を過ぎた男が、思わず身を縮めて震える。

「黒、黒瀬社長……」

渡の表情は微動だにしない。

「説明を求めたのはお前だ。部下のせいにするつもりか?年収数億円のお前が、その報酬を部下にも分けてやるか?」

「ぷっ……」会議室の隅、
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