LOGINお昼ご飯は、やっぱりボクが作り置きした物を食べることが多い。一つだけボクが納得いかないのは、智也くんはホワイトシチューをご飯に掛けて食べることだ。
ボクは別々派で、ボクが支度する時は絶対ご飯とは別の器で出すけれど、智也くんはカレー方式でご飯にぶっ掛けて食べる。 インスタントで済ます時も。でもたまに、昼ご飯兼夕ご飯を作ってくれる時がある。男メシって感じの智也くんらしいのがまた良かったりする。 智也くんのいない時間は記憶がない時や空虚な時間が多い。寝ているようなものなのかもしれないとも思っている。 そんな時、誰かに名前を呼ばれた気がする時がある。よく分からないけれど生きていた時の記憶が過ぎっているのかと思う。 昼間智也くんに着いて外へ行こうかと思う時もあるけれど、それは怖くてまだ試したことがない。万が一蒸発でもするように消えてしまったらと思うと怖い。 日が沈み始める頃になると、一人*** はてさてどうしたものか…。 どうにも智也くんの体の中から出ることが出来なかった。 横では智也くんが「水を飲めるかチャレンジ!」なんて言ってコップを持つところから苦戦している。 「トラ、いつもあんなにはっきり存在感があって、当たり前に触れることが出来て、飲み食いまで出来るって相当すごいってことがわかったぞ」 「確かに、今霊体になってる智也くんは透明感があって、軽そうで、いつものボクとは随分違う感じだよね…。幽霊らしさのある涼《すず》くん寄りというか…」 「だよなー。何なら涼《すず》くんの方が存在感しっかりあったよな。あの子は別の意味でも存在感あり過ぎだったけどな」 「ふふふ、それもあるね。……それにしてもボク智也くんから出れない…」 ボクは頭も体もをブンブンと振ってみたが、やっぱり駄目だった。 腕を掴んでみたり首を掴んでみたり、何の手応えも感じない。 そろそろ本当に危機感を覚えてきた。 「智也くん、どうしよう」 「…トラだったら、オレの身体をやってもいいけどな」 「そういう問題じゃないでしょ!?ボク智也くんになって生きたいわけじゃないし、そんなことになったら智也くんどうなっちゃうのっ」 「トラ、ごめんごめん。落ち着けって。…半分本気だけど、このままが正解じゃないのはわかってるよ」 「ボクは智也くんと一緒にいたいんだ」 「トラ、それはオレも同じだから。うーーん……。ま、一先ずオマエは何か食え」 そう言うと、買ってきた夜食の入ったコンビニのビニール袋を指さした。 「こんな時に、そんなの後で──」 と思ったら、ぐーーっとお腹が鳴った。 「めっちゃ腹空いてたんだよね、オレ!アメリカンドッグ冷める前に、オレの胃袋を満たしてやってくれ」 「ふははははっ。本当に智也くん緊張感なさ過ぎ!でも、確かにお腹すいてる。ふふふ」 「な、腹が減っては戦はできぬってな!」 「ふふふ、智也くんオーバーだな。でも、何かこんな風にお腹が空いた感覚久しぶり!」 ボクはアメリカンドッグにケチャップとマスタードをかけてパクリと食べた。 「っっ!!美味しい!こんなに美味しかったっけ!?」 「アメリカンドッグ一つでオマエもいい加減オーバーだな!」 「幽霊で食べてた時とは違うんだよ。生きてるって違
「ああっ!ボク智也くんの体から抜け出さないと智也くん戻れないよね!?」 「そうだけど、これはこれでちょっと面白いな!何かオレ、浮けちゃうんだが!やっほ〜い!」 フワフワとボクの上を一周して見せた。 一方ボクは、智也くんの体から上手く抜け出せなかった。 「智也くん、きっと長い時間このままは不味いと思うんだ。とにかく一旦家に帰ろう」 「確かに戻れないのも困るな。自分の身体相手にエッチするとかムリだな!」 「智也くん、そこ!?」 「そこ重要!オレの生きる糧だからな!ふははっ!」 「呆れると言いたいところだけど、ボクも一理あると言わざるを得ない…。とりあえず、家に」 そう言ってボクは、フワフワと頼り無く浮いてる智也くんの腕を掴んで歩き出した。 少し落ち着きを取り戻すと、智也くんの力強い鼓動、体の温かさが、生きていた頃の自分を思い出させた。 歩く度に足の裏に感じるずっしりとした体の重みや、頬を撫でる風の温度も全てが懐かしいものだった…。 幽霊になってから感じていた全ての感覚は、フィルターが掛かったように曖昧な中で存在していたことをまざまざと感じた。 本物の命の重みが少し辛く感じた。 「なんかオレずっと掴まれてフワフワしてて風船みたいじゃね?そして移動が楽すぎる!わはははっ!」 「智也くん、こんな状態になって心配にならないの?」 「心配しないワケじゃないけどな。いつもその時その時を楽しもうと心に決めてんだ」 「ポジティブにも程があるよ!ふふ」 「まあな。ばぁちゃんが死ぬ前に言ってたんだ。『どんな時でも楽しんだもん勝ちだぞ』ってな!程があるポジティブはばぁちゃん譲りってこと!ふははは!」 「…素敵なおばぁちゃんだね…」 ボクは笑顔で、思わず滲んだ涙を指で拭った。 「トラはすぐ泣くな」 智也くんはボクの頭を優しく撫でた。 「これ、オレがオレの頭撫でてる変な感じだな。ふふふ」 「中のボクにはちゃんと伝わってるよ。それにしても、生きてる頃のボクは滅多に泣いたりなんてしなかったんだけどな…」 「頼りになるオレに出逢ったからなんじゃねぇ?」 「ふふふ、そうかもね」 そんな話をしてるうちに、ボクたちのボロアパート、基《もとい》、愛の巣に着いた。
ある満月の綺麗な夜だった。 今夜は智也くんとお散歩がてらコンビニへ行き、夜食になりそうなホットスナックに、お菓子を買い込んだ。 帰りの裏道には人はほとんどおらず、車も滅多に通らなかった。ボクは歩道からはみ出し、悠々と智也くんと手を繋いで歩いていた。 「帰ったらゲームする?映画観る?」 「両方って手もあるよな〜」 「それは贅沢な!…ボクとしては折角の週末だし、どちらかにしても智也くんとイチャイチャしたいんだけどな…」 「そこはオレの中では入れ込み済み。ゲームは長く出来ないかもな」 「入れ込み済みなんだ!ふはは」 笑った途端、ボクは眩しくて目を凝らした。車のヘッドライトがボクを照らし歩道側に膨らむように向かってきた。タイヤの鳴る大きな音が間近に響いた。 その瞬間智也くんはボクを歩道側に強く引き込みながら体勢を崩し二人の体は縺《もつ》れるように倒れた。ボクを庇った智也くんが電柱に頭をぶつけた──。 気付くと、痛みと同時に意識が朦朧としていた。 「……いっつうっっ…」 ボクと智也くんの声が重なった。 車は方向を立て直したのか、何処にもぶつかることなく走り去っていた。 「トラ、大丈夫だったか?」 「智也くんの方がだよ。ボクは幽霊なんだから、車が体をすり抜けていくだけだよ」 「うわっ、そうだよな。あの瞬間もうトラが轢かれる!危ない!ってなって反射的に動いてた」 「ボクを庇ってくれたんだね、その気持ちが嬉しいよ。…それにしても、何でこんなに痛いんだ…?」
*** 2人でシャワーを浴び、シーツも取り替え、ほっとしてベッドに入った。智也くんの居場所はいつも通りボクの腕の中だ。 「智也くん、今日は一段とエッチで可愛かったね」 「オマエ、冷静になってから感想を述べるな!」 智也くんの顔が一気に赤くなった。 その可愛さにわざと意地悪に並べ立てた。 「だって、下からのアングルも初めてだったのに、挿入《は》いった瞬間に出しちゃうし、ビシャビシャに吹いちゃったり。トコロテンに潮吹きなんて、彼氏冥利に尽きるなって。ずっと中イキしてたみたいだし、沢山気持ちよくなってくれて嬉しい」 「オマエ、いちいち説明すんなっ!恥ずっ」 智也くんは、顔をボクの脇の下に隠すように潜った。 「Dom失敗な智也くんも可愛かったね、ふふふ」 ボクが笑ったら、横っ腹をギュッとつねられた。 「痛たっ!」 「調子に乗ってんな!それに、オマエな、キスマ付け過ぎ!」 「そんなの、調子に乗るよ。ボクの仔猫ちゃんが何でも言う事を聞いて、エッチな姿を晒してくれるなんて夢みたいでしょ?…あ、ヤバイ。さっきの智也くん思い出したら勃ってきちゃった」 「さすが体力性欲無尽蔵オバケ」 「オバケってひどい!智也くんなんてさっき何回も痙攣して中イキしてたクセにぃ!ボクは今日1回しかイッてませんからっ」 「うっ、確かに…。そしたら、今度こそオレがDomになりきってオマエを掌の上で転がしてやる!」 「ふはははっ!智也くんまだ諦めてないの?ふふふ」
「まだイッたら駄目だよ」 「……っっ、ま、まだっ…?」 「Stay!」 そうコマンドを出し、挿入《い》れたまま智也を仰向けにして抱き締め深く唇を重ねた。 智也はしがみつき、足をボクの腰にギュッと巻き付けた。お互いを包み、身体の熱に朦朧とする。 「はぁっ、智也、愛してる…」 「うっ、うんっ、んっ、あっ、愛しっ、てるっ…」 智也は激しく突かれながら頬を紅潮させ応えた。 「智也の、その顔も、好きっ」 「んっんっンンッッ!も、ダメ、中イッテてる、ンッ、ああッッ!!」 智也の中は熱くキツく絞るようにうねった。 「アッ、アッ、トラ、前もイキたいっ」 ボクは智也のモノの先端を手のひらでグリグリと撫でつけるように扱《しご》いた 「アッ、ンッンッ!出るッ!」 「いいよ、智也、Cum!」 コマンドと同時に智也の先端からはプシャーッと透明な人肌の水分が吹き出た。 「智也、Good Boy!潮吹くとか可愛すぎっっ!」 ボクは智也の喘声も耳に入らないくらいに無我夢中で突いた。 「智也イクッ!あっふッッ!!」 昂りのまま智也の奥の奥へ白濁を放った。 ドクドクと脈打つボクに絡みつくように中がうねった。 「はぁっ、はぁっ、ああっっあっ…、ト、ラ…」 智也は譫言《うわごと》のようにボクの名を呼びながら、何度も中
「智也、Lick」 ボクの指先の動きにヒクヒクと感じながら、ボクのモノにむしゃぶりついた。 時折喉奥まで入れ込んで噎《む》せそうになる。 ボクはちょっと意地悪に、指先を激しく動かしながら、智也のはち切れんばかりのモノを掴んで扱《しご》く。 「あっあっ!トラダメ、ヤバいっ!気持ちいーからダメっ!あっあんっ…」 ギリギリを見計らって止めた。 「あー、あー…っ、イキたいっっ」 「ダメって言ったの智也だからね」 「あーっ、トラもう挿入《い》れてっ」 「じゃあ、今日は自分で挿入《い》れて見せて」 智也はボクに向き直って跨った。ボクのモノを掴んで尻にあてがった。 「トラ、オレのこと好きか?」 「そんなの当たり前に好きだよ。どれだけ好きかわからないくらいには」 「だよな。オレもだ…」 そして、智也は慎重に腰を沈めていきながら、恍惚と顔を歪ませ声を漏らした。 「あ、あっ、あッッ!んっっ!アッッ!!」 根元まで到達した瞬間、智也は先端から勢いよく白濁を吐き出し、ボクの腹の上に散らした。 「智也エロ過ぎ。トコロテンしちゃったね」 「我慢出来んかった…」 「そこからもっとよくなれるよ。自分で動いてご