「……あの、ボクとエッチしてください…」 「…は!?…え!?…キミ、自分が何言ってるか分かってるの?…初めましてで、そんなこと言う人いる!?」 オレは今、自分の部屋のベッドの上で迫られ、壁まで押しやられ、大ピンチ中だ! 「…初めましてのつもりは無いのですが…」 「…イヤイヤ、キミのこと知らんし!!いや、知ってればいいとかそういう話しじゃない!」 オレのベッドに四つん這いになって、オレより若いと思われるイケメンがジリジリとオレに向かってくる…。 見知らぬ男に自宅で急に迫られるって一体何なんだ!? *** 1週間前──。 「…よしゃ!引越し完了!」 オレ、西口智也23歳、この夏転職を機にこのボロアパートの2階に引っ越してきた。 どうせ男の一人暮らし、人を呼ぶなら精々昔馴染みの気の置けないヤツらだけだ。ちょっとボロいくらい全然OK!コスパ重視だった。 それに彼女なんていうのも出来る予定は無い。だってオレ、生粋のゲイだから! …いや、彼氏だって出来る予定は無い。今までだって独りだった訳だし。 独りのネコとして『おひとり様』人生で良いかなと腹を括っている。 それにしても、ボロアパートOKなんて言ってはみたものの、ここのエアコンの効きは悪くて、大家さんに修理依頼をお願いした。まあ、快く手配してくれたから良いものの、混んでいて当分先になった。 それまでこの熱帯夜を超えるため、窓を開け、扇風機で凌ぐしか無かった。防犯と熱中症どっちを取るか悩む必要も大して無かった。 貯金は極わずか、そんな通帳はベッドマットの下にでも隠しておけば充分だし、先ずこんなボロアパート狙われるわけも無い。 それに、男の一人暮らし、そうそう襲われるなんてことも無いだろう。場合によっては空手で鍛えたオレが返り討ちにしてくれる!! 『……はぁ、何でこんな男らしいのに、オレってネコしたいんかな…』 ある意味そこだけが自分の悩みかもしれなかった。 筋肉質の細マッチョ、身長は180近くある。顔は鋭い切れ長の目、友達には何度か冗談で『お前男らしくて頼りになるし、女だったら好きになってたな!お前に抱かれたかったかも!』なんて言われたことがある…。 『いやいや、オレが抱かれてぇから!』 はぁ…、こんなヤツにツッコミたい奴なんて居ないよな…。
Dernière mise à jour : 2026-07-10 Read More