とわこ「あの二人、また親子喧嘩したみたい。奏、うちに住んでたのに、また自分の家に戻っちゃった」瞳「親子なんて、喧嘩しないほうが珍しいって。先生に蓮の宿題をもうちょっと増やしてもらったら?」とわこ「普段から結構出てるよ。もしかしたら、結婚式には来ないかも。海外で大会があるらしくて」瞳「行きたくないなら、無理に来させなくてもいいんじゃない?大人になれば、親子の関係も自然と良くなるよ」とわこ「うん。ねえ、結婚写真撮りに行くんだけど、一緒に来ない?リゾートで撮るの」瞳「OK!ちょっと準備して、すぐ行くね!」メッセージを送り終えると、とわこは奏の方を見た。「奏、カメラマン、もう決まった?」「うん」「ねえ、水の中で撮るのってどうかな?この前見たんだけど、すっごく綺麗だったの!」とわこの妄想が広がる。「あとね、崖の上で撮ってる人もいたよ!」奏「まさか空まで行きたいって言うんじゃないだろうな?」とわこ「なんでわかったの?飛行機あるでしょ?それで空に行って、ドローンで撮るの!」奏は少し眉をひそめた。「本気?」とわこは数秒考えたあと、あっさりと諦めた。「やっぱり、普通に撮ろう。とにかく結婚式を終わらせなきゃ。だってもう子ども三人いるのよ?これ以上延ばしてたら、蓮が先に結婚しちゃうかも」「うちの息子がそんなに早く結婚すると思うか?」奏は彼女の隣に腰を下ろす。「あいつ、女に全然興味なさそうだけどな」「今は興味ないのは当然よ。まだ未成年なんだから」とわこは自信満々に言った。「大人になれば、ちゃんと目覚めるって」「それはどうかな。君、あいつは俺に似てるって言ってただろ?俺だって君に会うまでは、女なんて興味なかった」奏はあっさりと言った。「じゃなきゃとっくに結婚してたさ。君に拾われることもなかった」「拾ったって?ちょっと、奏、自惚れもたいがいにしてよ!」とわこの頬がうっすらと赤くなり、ふと二人の出会いを思い出す。「まあ、あの時は確かに拾ったかもね。あの事故で植物状態にならなかったら、あなたの母親が勝手に相手を決めるなんてできなかったはず。あの時はあなたの方が優秀だったかもしれないけど、今は私だって負けてないわ」奏の深い眼差しが、赤く染まった彼女の頬に落ちる。「今は君の方がずっと優秀だよ」彼は惜しげもなく賞賛の言葉を口にした。
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