深夜。また悪夢から目覚めた。だけど今夜は叫ぶことなく、突然ぱちっと目を開け、息を荒くしていた。修はすぐにベッドのそばに駆け寄った。「若子、また悪い夢を見たのか?」ここ何日か、悪夢は見ていなかったはずなのに。若子は電気をつけて、ベッド脇にいる修を見つけて驚いた。「修、なんで自分の部屋に戻らないの?」「お前が心配で......若子、ただそばにいたいだけなんだ。やっぱりまた悪夢を?」「修、私......」「どうした?若子、何か話したいことがあるのか?」若子は首を振った。「同じことを何度言っても仕方ないし......ただ......」「修」若子は彼の手をぎゅっと握った。「絶対に自分の身を守って、もっとたくさんボディーガードを雇って」「分かった、約束する。絶対に自分を守るし、子どもも守る。もう二度とお前を傷つけたりしない」そう言って、修は若子を抱きしめた。「そうだ、若子、ひとつ伝えたいことがある。侑子と安奈、それから雅子の三人、みんな死んだ。刑務所で感染症が広がって、みんな急死した。三人同じ房にいたから、うつし合ったらしい。遠藤高峯も牢屋で自殺した」若子はその言葉にハッとして顔を上げた。「今なんて言ったの?」修は優しく彼女の顔を両手で包んだ。「もう、全部の脅威は消えた。もう誰も俺たちを傷つけないよ」「本当に、感染症と自殺なの?」若子は信じきれなかった。四人が同時に死ぬなんて、あまりにも出来すぎている。修は優しく微笑み、彼女の頬を撫でた。「うん、間違いないよ。感染症と自殺さ」若子は、修の言葉を本気で信じていいのか分からなかった。でも、もしそれが嘘だとしても、修が自分を守るために何かをしたのだとしたら―自分のせいでまた彼を巻き込んでしまったと、心が痛んだ。「修、信じてるよ」死因は感染症と自殺―そう信じるしかなかった。修は小さく「うん」とうなずき、「だからもう、何も心配いらないよ。誰も俺たちを傷つけたりしない」と言った。若子はそっと手を伸ばし、修の頬をなでた。「修、いろんなことをしてくれて、本当にありがとう」彼の手を取って、自分のお腹にあてた。「赤ちゃんも、あなたに感謝してるよ。もしあなたがいなかったら、この子はきっと無事じゃいられなかった」もし自分がまだ西也の手に囚われてい
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