ビルの下には、確かに警察車両が停まっていた。ほどなくして、警察に付き添われながら車へ乗り込む悠斗の姿が見えた。これで、蓮司の言葉がすべて事実だと分かった。電話で確認を取った近藤取締役も、その場に立ち尽くしたまま、しばらく我に返れなかった。あれこれ策を巡らせてきたというのに、博明一家が新井のお爺さんを害した事件に関わっているとは、まったく計算に入れていなかった。これでは、自分たちの主張の土台が崩れてしまう。下手をすれば、蓮司から「共犯」の嫌疑までかけられかねなかった。近藤取締役の予想通り、続いて蓮司が口を開いた。「近藤取締役を筆頭とする一部の取締役たちは、俺を急いで交代させようとしている。表向きは外部招聘と言っているが、実際には、誰もが分かっているはずだ。彼らは博明の側に立っている。こちらには、彼らが俺の祖父を害した件に関与していると疑うだけの十分な理由がある。彼らは共犯であり、新井グループ全体を掌握しようとしている」「ふざけるな!」それを聞いた近藤取締役は、思わず声を荒らげて反論した。「我々は新井会長を害する計画になど関与していない!そのドローン事件とやらも、まったく知らなかった!」「近藤取締役、その話は警察署で直接、警察に説明してください」蓮司は冷たく言った。「あんたが本当に無実なら、警察が調べ終えた後、当然、潔白は証明される。それとも、警察署へ行くことすら怖いのか?」蓮司の言葉が挑発だと分かっていても、近藤取締役は乗らざるを得なかった。先代の新井グループトップを害したという汚名を着せられれば、今後の社内での立場も、築いてきた名誉も、すべて失われるからだった。「行ってやる!やましいことがない人間は、何も恐れない!」近藤取締役は蓮司を睨みつけて言った。その後、蓮司は大島取締役へ視線を向けた。「大島取締役、たとえ取締役会が俺の退任を望んでいるとしても、近藤取締役たちが連れてきた人間に俺の後を任せることには同意できない。彼らの側は、俺の祖父を害して権力を奪おうとした。その連中が探してきた人間など、間違いなく操り人形だ。もし取締役会がどうしても社長の交代を進めるというのなら、候補者を変えてほしい。候補者の選定は、大島取締役が直接主導してください。そのほうが、誰もが納得できるはずです」蓮司の言葉
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