「愛情とは、人間が抱く最も偉大な感情の一つです。深く愛するからこそ、苦しみが生まれる。そのお気持ちは、よく分かります。これから毎日、お話を伺います。乗り越えるのは簡単ではありませんが、誰かに話すことで、心の痛みも和らぎますから」蓮司は頷いて言った。「それは、本当にありがとうございます。家族は、この気持ちを理解してくれません。すぐに諦めろと諭すばかりか、脅してさえくるのです。ただでさえ苦しいのに、家族からの脅しは、俺をさらに精神的に追い詰めます」……病院の心理カウンセリング部、相談室。「……あやつは、本当にそう言ったのか?わしがプレッシャーをかけ、あやつをさらに憂鬱にさせ、苦しめていると?」新井のお爺さんの顔色は優れない。心理カウンセラーを見て、そう言った。医師は言った。「はい。新井さんは落ち着いた様子でそうお話しくださいましたが、その内面の苦しみと葛藤は、私にも見て取れました。あなたは彼の祖父で、最も近しいご家族です。彼のためを思ってのことだと存じますが、確かにやり方が少々過激すぎます。それでは、かえって患者さんを刺激してしまいます」新井のお爺さんは言葉を失った。なるほど、医者にまで「説教」される羽目になるとは。あの馬鹿者に、あのようなことを言うべきではなかった、と。しかも、蓮司がわざとやっているのではないかと疑っている。自分と口論する度胸もないくせに、医者のところへ告げ口に行くとは。フン、食わせん奴め。医師はまた言った。「ですが、あなたの脅しはある程度の効果を上げています。少なくとも彼を恐れさせ、そのおかげで今日の彼は情緒が安定しており、心理療法にも非常に協力的です。これは良い傾向です。彼が治療を望み、自らの苦しみを正直に打ち明けてくれた。これから、私が継続的にカウンセリングを行ってまいります。患者さんが短期間であの感情を簡単に手放すことは不可能です。深く愛すると同時に、後悔の念も抱いています。この二つの感情は、それぞれ単独でも致命的ですが、重なり合うと人の命を奪いかねません。だからこそ、感情が身体症状として現れるのです。ですから、どうか無理に彼を立ち直らせようとなさらないでください。ゆっくりと時間をかけることが、最善の道なのです」新井のお爺さんは、医師の長々とした話を聞き、答えずに、小さくた
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