医師はうなずいた。「検査結果が出ました。一緒に見ましょう」芽衣は静雄を見上げた。「静雄、一緒に入るの?」静雄は小さくうなずき、芽衣と並んで診察室へと歩いていった。大介も無言のまま後に続く。その胸の内は嫌悪と哀しみでいっぱいだった。これからまた、芝居が始まる。そして静雄は今回もその芝居の観客であり、さらには......共犯者となるのだ。診察室の中。精神科医は穏やかな笑みを浮かべながら言った。「松原さん、芽衣さん。検査結果によると、芽衣さんのうつ病は確かに再発しています。それもかなり重い状態です。早急に治療を受ける必要がありますね」その言葉を聞いた途端、芽衣は涙をこぼした。「先生、私......どうしたらいいんでしょう......もう、心が壊れそうで......」静雄はすぐに彼女を抱きしめ、優しく言った。「怖がらないで、芽衣。俺が一緒に治療を受けるよ。ずっとそばにいるから」精神科医は眼鏡を押し上げ、目の奥にわずかな嘲りを浮かべた。「お薬を出しておきますね。きちんと服用して、定期的に診察に来てください。きっとすぐ良くなりますよ」芽衣はしゃくり上げながらうなずいた。「ありがとうございます、先生......本当にありがとうございます......」静雄も頭を下げた。「先生、ありがとうございました。......本当に助かりました」医師は微笑んだ。「仕事ですから。患者さんが回復されることが、何よりの喜びです」その横で、大介は虚ろな目でこの茶番を見つめていた。吐き気が込み上げ、堪えきれず診察室を出た。静雄はその手に、診断書をしっかりと握りしめていた。まるで、それが唯一の救いであるかのように。「見てごらん。先生も言ってるだろう。お前のうつ病は再発した」その声には、どこか安堵の響きがあった。ようやく、理由を見つけたというように。芽衣は静雄の胸に寄り添い、涙の跡がまだ頬に残ったまま、かすかにうなずいた。「うん......静雄の言うとおりにするね」その声は弱々しく、だがほんの少し、見えない満足の色を帯びていた。静雄は彼女のやつれた顔を見つめ、胸の奥に罪悪感が押し寄せた。それは波のように彼の心を呑み込み、これまでの疑いをすべて洗い流していった。「ごめん、芽
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