「凄いね」 ルキがファイルを開く。 そこには小分けされたシートが何ページもあり、各ポケットに『日付』『名前』『死因』のラベルと、一摘みの遺髪がコレクションされていた。「連続殺人鬼も被害者の一部や所持品を持ち帰る……それもだいたい同じ系統の物だ。指輪だったり眼球だったり。 ケイ、君は毛髪か……他は ? 無いの ? 」 ルキはまるでジュースの好みでも語らうように問いかける。「……」 蛍は答えない。 この男は再び自分にゲームをさせたいはずだ。ならば今までの悪事を吹き込み、警察に突き出す事はしないだろう。 しかし、ファイルを見られたのは誤算だった。「ケイ、黙ってちゃ分かんないよ。コレクションはこれだけ ? 葬儀なんてひっきりなしに入ってるみたいじゃん。少なくない ? 」 闇雲に収集する者もいるが、中には気に入った被害者の持ち物しかコレクションしない者もいる。蛍は後者である。「ケイはただのお手伝いだよね ? 御遺体といれる時間なんて長くないだろうし……でも、思春期真っ只中の男の子が遺髪だけで欲を満たしてるとは思えないなぁ。 あ、もしかしてすぐイッちゃう方 ? 」「それ、答える奴いるのか ? 」「いいじゃん。 そうだ。ねぇ、ケイ。一人でして見せてよ」「は……はあぁ !? 」「こんな大切に保管してるんだ。勿論、使ってるだろ ? 見たところ汚れはないけど。 どう使ってるのか見たいな」 ルキの手が蛍のシャツの中に入る。 右胸をサラサラと撫でるだけだが、これでは動揺している鼓動がバレてしまう。「っざけるな ! 教える義理はない。ただのコレクション。それだけ ! 離れろよ ! 」 しかしルキは離れないどころか蛍の上に覆い被さる。
Last Updated : 2025-05-10 Read more