それから勲の葬儀は、新井家が一切を取り仕切ることになった。新井家の当主である聡は、勲を哲也の義理の叔父として、新井家の墓地に埋葬することを決めた。勲の墓は樹の隣に建てられた。彼らは二人とも新井家に忠誠を尽くした古参だ。死後も新井家の墓地に眠り、先祖代々の一員として迎えられることになったのだ。葬儀には、グループの社員のほとんどが参列した。勲は身寄りがなかったが、葬儀は盛大で、弔問客の列は長く続いた。そして彼の人生は、決して無駄ではなかったことが証明された。哲也は勲の墓石の前で深々と三度、頭を下げた。「河内さん、どうか安らかに」哲也は墓石をみて、目を赤くした。「天国から、俺と優希が末永く一緒にいられるよう、優希と子供たちが無事であるよう見守って。子供たちが大きくなったら、またみんなで会いに来るから」優希は妊娠中だったので、両家の親族から参列を止められていた。哲也も彼女の体を心配し、家で休むよう言ったのだ。だが、優希自身は参列できなかったものの、代わりに母親に頼んで名高い僧侶を招き、勲のために法要の執り行いをお願いしたのだ。それが、今の優希にできる唯一のことだった。そして、葬儀が終わり、勲の生涯は静かに幕を閉じた。......そして渚の事件は、殺人未遂だけでなく、商業犯罪にも関わるものだった。優希は被害者として渚を告訴し、志音が優希の弁護人を務めた。それに、渚は長年にわたって、多額の金を横領していた疑いもあった。最終的な判決が下されたのは、1ヶ月後のことだった。渚には、懲役20年の判決が下された。判決が下された後も、渚は納得せず、控訴を申し立てた。裁判所は彼女の控訴を受理した。しかし、二度目の裁判でも結果は変わらなかった。志音ほどの腕があれば、こんな事件を処理するのはお手の物だった。商業犯罪については栄光グループの弁護団が動いたから、渚に逆転の機会などあるはずもなかった。懲役20年。それが、渚に下された最終的な結果だった。渚は、その結果を受け入れられなかった。そして5月1日の深夜、渚は獄中で自殺した。発見された時には、すでに体は冷たくなっていた。彼女は死ぬ前に遺書を残していた。宛先は、哲也だった。刑務官は、規定通りにこの事実を関係部署へ報告した。そして関係部署から、
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