Semua Bab ロート・ブルーメ~赤ずきんは金色の狼に食される~: Bab 51 - Bab 60

70 Bab

幸せ①

「何か手伝おうか?」 キッチンの入り口からひょっこりと顔を出す紅夜に苦笑する。「良いってば。出来たら呼ぶから、運ぶ時だけ手伝って?」 リビングでゆっくり待っていてくれればいいのに、気になるのかちょくちょく見に来る紅夜。 そのたびに手が止まるから少し困るんだけど、構ってくれて嬉しくもある。「……やっぱいいな」 手の動きを再開させた私をじっと見ていた紅夜が呟いた。「え? 何が?」 すぐには視線を向けられなくて声だけで聞き返すと、彼が近付いて来るのが分かった。「美桜が俺の家でこうやって料理したりするトコ。……このまま一緒に暮らさない?」「っ! でも、学校もあるし……まだ学生なのに同棲はちょっと……」 一緒に暮らす。 その魅力的な言葉に心臓が大きく跳ねた。 でも色々と問題はある。 学校もそうだし、何より紅夜と付き合ってることをお母さんにすら話していないから。「分かってるよ。……でも、そういう言い方するってことは嫌じゃないんだよな?」「え? それはもちろん」 キリが良かったのでそこで顔を上げて紅夜の顔を見ると、嬉しそうに細められた目と合った。 そのまま唇が落とされる。「んっ」 触れて、リップ音付きで離れた彼の唇が囁く。「じゃあ、高校出たら。大学生になったら、同棲も良いだろ?」「そう、だね」 先のことは分からないけれど、今は望みだけを口にする。 そうしたいって、思ったのは事実なんだから。 チュッ 紅夜の唇がまた触れてきた。 彼の手が腰を抱き、キスも深くなってくる。「んっこう、や……ちょっと」「んっだめ、もっと欲しい」 求められる喜びに身を震わせるけれど、私は心を鬼にした。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-02
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幸せ②

「だから、今回はとりあえずこれらの公式だけ使うって覚えておいて……」「うんうん、そっか!」 紅夜の指導のもと着々とテスト範囲を消化していく。 紅夜は私が記憶力だけは良いということを考慮したうえで問題の解き方を教えてくれるから、学校の先生の授業を受けるより理解しやすい。 しかも紅夜自身独学で勉強しているとは思えないほど理解しているからすごい。 頭が良い方だと思ってはいたけれど、思った以上に良いのかもしれない。「すごく分かりやすい! ありがとう紅夜、これなら赤点回避どころかかなりいい点とれるかも!」「そうか? お役に立てて何より」 おどけて言う紅夜に、本当に助かったと思う。「何かお礼しなきゃね……」 だからそんな言葉がスルリと出てきてしまった。「お礼なら夕飯作ってくれるんだろ? 明日も」「でもそれは私がやりたいことだし……。紅夜は他に何かしてほしいことはないの?」 聞くと、少し考えた紅夜は何か思いついたのか軽く眉を上げる。 私と目を合わせたときには何だかニヤついてるように見えたから少し身構えた。「な、なに?」「じゃあお礼に、美桜の方からキスしてくれよ」「え?」「思い返してみればいっつも俺からだったし、たまには美桜からキスしてほしい」「っ!」 確かに、私は自分から紅夜にキスしたことはなかった。 私がキスしたいなって思うより先に紅夜がキスしてくる方が多かったってのもあるけれど……。「ダメか?」「ダメ、じゃない」 そんな風に聞かれたら嫌とは言えないじゃない。「じゃああとでしてくれよ? 今はまず範囲を一通り消化しないとな」 その後の紅夜はご機嫌で、逆に私は少し悶々としてしまった。 後から改めて、とか恥ずかしすぎるんだけど……。 第一、お礼がそれで本当にいいのかな? 疑問だけれど、紅夜が嬉しそうだから……いいのかな? って思った。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-03
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人質①

 途中で愁一さんとも別れた私達は二人で並び歩きながら黎華街を出た。 「日葵、もっと怯えると思ってたけど結構普通に歩いてたね?」  いくら日の高い午前中とはいえ、危険を孕んだ街だ。  前に日葵が街に来たときのことを思い返すと普通に歩けている方が不思議なくらいに思う。 「うん……やっぱり愁一兄さんがいるからかな? あの人がいる街だと思ったら、怖くはあるけどしっかりしなきゃって思えるの」  しっかりしないと会うことすら出来ないと思ってしまう、と。  少し分かる気がした。  私も紅夜がいるから、あの街を歩いていても以前より安心感を覚える。  紅夜という存在が、私にとって何らかの支えになっている気がした。 「……そうだね。ちょっと、分かる気がする」  そんな風にお互いに好きな人を想う。  似た者同士な親友と二人、危険だと言われている黎華街から出たこともあって、警戒心を解いて歩いていた。  警戒していても回避できたかは分からないけれど、油断していたのは確か。  じゃなきゃ、見覚えのある男が近付いて来るのを私が気づかないわけがなかったんだ。 「また会ったなぁ、お二人さん」  大柄な男が目の前に来たと思ったら、そう言葉を掛けられた。  見上げて目に入った男の顔に、私は戦慄する。  そうだ。  この男は街の外に逃げたと言っていたじゃないか。  逃げたというから、無意識に遠くへ行ったものだと思い込んでいた。  街の中にはいなくても、街の外ならどこかに潜伏していてもおかしくないというのに。  街の外なら安全だと、そんな幻想を抱いだいていたのかもしれない。 「何がどうなってこうなったかは知らないが、まさかこっちの方が総長の女になってるとはな」  そう言って、憎しみにも近い色を含んだ眼差しが私に向けられた。 「っあ……」  恐怖に身がすくむ。 「っ美桜!」  でも、日葵に腕を引か
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-04
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人質②

「傷つけるなと言っただろう?」 低く冷たい、淡々とした話し方。  初めて会った頃の紅夜の声も冷たいと思ったけど、その比じゃない。  聞いた瞬間に氷漬けにされてしまいそうな、冷酷な声だ。 声を聞いただけで怖いと思った。  そしてそれは私を殴ろうとしていた男もそうだったようで、拳を振り上げた状態で凍り付いている。  その顔には汗が浮かんでいた。「紅夜には協力的であってもらわなければならないんだ。女を傷つけて怒りを買うような真似はするなと言ったはずだぞ?」 続けてそう言って現れたのは、三十代と思わしき男性。  黒地にグレーのストライプ柄のスーツを身にまとい、黒のストレッチコートを羽織っている。「……申し訳ありません、K様」 コードネームか何かだろうか。  その男はKと呼ばれていた。 拳を下ろした男に「分かればいい」と告げた彼は、ヒタ、と私にその冷たい視線を留める。「っ!」 「さてお嬢さん。この子を離せば君は大人しくついて来てくれるのかな?」 嘘は絶対に許さない。  そんな声すら聞こえた。 背筋に冷たいものが流れる。  本当の冷や汗なんて、自分が体験することになるとは思わなかった。「……ええ。この子を解放してくれるなら、大人しくする」 震えそうな声で、それでもハッキリ言った。  そうしないと、私の意見は通してもらえないような気がしたから……。「……だそうだ。こっちの娘は離してやれ」 冷酷な声音のまま、ニッコリ笑ったKに寒気が走る。  でも、要望は通してもらえた。「美桜……」 不安そうな日葵に、私は今出来る精一杯の笑顔を見せる。「大丈夫だから、日葵は逃げて?」 正直、全然大丈夫じゃない。  でも、日葵まで捕まってしまったら最悪の状況になるから。  日葵に、助けを呼びに行ってもらわないとないから。 だから、逃げて。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-05
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人質③

 エレベーターのある開けた場所まで、特に何の邪魔も入らずスムーズに進んだ。  紅夜は先に地下へ行くと言って数十分前にここで別れた。  その程度の時間だとまだ地下にいるかもしれない。  地下には電波が届かないみたいだから、今の状況を紅夜はまだ知らない可能性が高い。 このままじゃ、何も知らない紅夜がエレベーターを出たところに鉢合わせしてしまう。  紅夜は強いけど、私という人質までいる状況だとどうなってしまうのか……。 嫌な想像ばかりが脳内を占める。  そうして、ついにエレベーターの扉が開いてしまった。 Kや大柄な男の姿を目にした時点で紅夜は即座に戦闘態勢に入る。  でも、状況把握のためか見回して私と目が合うと、隠しきれない動揺がその綺麗な顔に浮かんだ。「……美桜?」 「紅夜っ……!」 助けを求めたい言葉をギリギリで留める。  そうして求めた結果、紅夜がひどい目に遭ったらその方が嫌だったから。  どちらにしろ、この場の主導権は私達になかった。「君が紅夜か……。やっと会えたな」 Kが楽しそうに目を細める。  そして、私の方へと近づいてきた。  何を? と思った次の瞬間には後ろ手に拘束され、その状態のまま紅夜の前に突き出される。「さて、状況は把握出来ているかな?」 冷酷な声に愉悦を含ませて、Kは紅夜に問いかける。  紅夜は頭のいい人だ。  分からないわけがない。 ギリッと歯を食いしばり、見たことが無いほどに焦りをその顔に浮かべている。「察しのいい人間は好きだよ。分かっているとは思うが、私達の目的はお前とロート・ブルーメだ。観念してくれるかな?」 どこまでも冷たい声なのに、言葉だけは優し気に響かせる。「……分かったよ」 紅夜は悔し気にKを睨みながら、警戒態勢を解いた。  するとすかさず他の男達が紅夜を拘束しにかかる。  ロープで後ろに両手を縛られていく紅夜を見て、私は泣きたく
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-06
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真実①

 ……赤い。 ……どこまでも赤く広がるロート・ブルーメの花畑。 その中心に一人立っているのは、その花達にそっくりな人。 金糸の髪はまるで花達を照らす太陽の様で、美しく儚げだった。 あれは紅夜だ。 今よりも少し幼さが残る顔立ち。 そう。 私は二年前、あのロート・ブルーメの花畑で紅夜に会ったんだ……。  二年前。 高校受験を控えていて、精神的に滅入っていた頃。 すでにお父さんも出張が多くなっていて、心のよりどころが少なかった。 あの日はお母さんとも些細なことで言い争いになって、誰か他の人に寄りかかりたかった。 それで思い出したのが叔母さんのこと。 黎華街は危険な街だと聞いていたけれど、まだ夕方だったし真っ直ぐ大通りを行けば家に着くということは聞いていた。 だから、私は心の拠り所を探しに黎華街に入り……。 そして迷って、地下へと入り込んでしまったんだ。***「うっ……うう……」「おい、大丈夫か!? どうしたんだ!?」 愁一さんの心配そうな声が響く。 ズキズキする痛みに耐えるようにそんな彼の袖を掴んだ。「……地下、への道は……他にもあります」「え?」「……行きましょう。紅夜を……助けないと……」「いや、あんたまで行く必要はないだろう? 教えてもらえれば俺達が行くから」 だから休めと言われる。 確かに頭がズキズキと痛むし、体は休息を求めてる。 でも、休むわけにはいかない。 休みたくない。 紅夜が心配だったし、何より記憶が戻ったことと今
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-07
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真実②

「愁一さん、すみません。スマホありがとうございました」「あ、ああ……なんかあんた、すげぇな。……まさか隆志さんが紅夜の実の父親だったとか……」 愁一さんはスマホを受け取りながら驚きの表情で私を見ていた。 今の会話は私の声しか聞こえていなかっただろうけど、それでも会話内容の推測は出来たんだろう。 今のやり取りを理解してくれていた。「別にすごくなんかないですよ。……ただ、ちょっと記憶力が良いだけです」 記憶力が良いだけ。 見聞きしたものを覚えているというだけ。 そして、思い出すことが出来たからそれらを繋げられただけだ。「いや、それ十分すげぇから」 呆れられたけれど、私からしたらケンカも強くて頼りになる愁一さんの方がすごいと思う。「……私からしたら、紅夜に頼られている愁一さんの方がすごいですよ」 そう言ったら変な顔をされてしまった。「頼ってる? 紅夜が? いいように使われてるようにしか思えねぇけど」「そうやって甘えてるんですよ、きっと」 そう言うともっと変な顔をされてしまったので、少し笑ってしまう。「……だって、愁一さんや赤黎会の人達はあの花畑と紅夜を守ってくれていたんでしょう?」「……それは」 ロート・ブルーメの花畑がこの黎華街の本質。 その意味がずっと分からなかった。 でも花弁に麻薬成分があると知って、分かった気がする。 全てが、あの花から始まったんだ。 あの花を育てるためにこの街を買ったという隆志さん。 その頃はまだ、ここまで危険な街じゃなかったんじゃないだろうか? その答えとなる話を愁一さんはしてくれた。「……赤黎会はな、ちょっと大きくなりすぎちまって……。受け
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-08
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真実③

 家の裏手に行っていてと言われて先にそちらに愁一さん達と向かう。 少ししてから来た叔母さんは、見覚えのある小瓶を人数分持ってきていた。「これは……」「これはロート・ブルーメの麻薬成分を中和するための薬よ。二年前美桜が被害に遭ってしまったでしょう? やっぱり必要だってことになってこっちも研究して作っておいたのよ」「そうなんだ……」 渡された小瓶を見ながら感心するとともに、どうして今これを飲むのかが気になった。 それは愁一さんも同じだったようで質問していた。「でも何で今この中和剤を飲まなきゃならないんだ?」「……計画通りに事が運んでいれば、きっと今あの花畑は火の海だからよ」『え!?』 私と愁一さんの声が重なる。「火の海って!? 紅夜は無事なの? それに計画って?」 思わずまくし立てたのは私。 火の海なんて物騒な言葉を聞いたんだから仕方ないと思う。「まずは地下に降りましょう。花畑までは少し歩くから」 叔母さんは私の言葉には答えず地下への入り口を開けた。 家の裏側の外壁としか思えない場所が扉のように開き、エレベーターの箱が現れる。「さ、みんな乗って。中和剤も飲んでおいてね」 そうして言われた通りに私達はエレベーターに乗り込み中和剤を飲んだ。 ん? この味、やっぱり。 栄養ドリンクに似ているけれど、どこかクセのある味。「これ、紅夜に飲ませたのと同じもの?」 思わず呟くと、「飲ませた?」と叔母さんに聞き返される。「あ、うん。紅夜が地下に連れて行かれる前に口移しで飲ませたの。……あ、紅夜が腕使えない状態だったからだよ!?」「ああ、そういうことか」 切羽詰まった状況のときに何してんだって思っちまった、と愁一さんが笑う。 ちゃんと付け加えて説明しておいて良かった。「そっか、もしかしたらそ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-09
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マイナ・ゾンネ①

 地下についてから結構歩いた。 紅夜の部屋のあるエレベーターからだと少し歩くだけで良かったけれど、叔母さんのところからだと結構歩かなきゃならないみたいだ。 その辺りも一応思い出したはずだけれど、前は迷い込んだ状態だったからかどれくらいの距離を歩いたのかまでは把握していない。「さ、ついたわよ」 叔母さんがそう言ったのは、突き当りについてからだった。 しっかりと閉じられたドアには取っ手などはない。「みんな、マスクもちゃんとつけた? いくら中和剤で麻薬効果は効かなくても、煙を吸うのは普通に危ないからね? 赤黎会のみんなは一人捕まえたらすぐにここに連れてくること」 道中一度聞いた話だったけれど、確認のためかそう話していた。 そして最後に私を見る。「美桜、あなたは紅夜をよろしくね?」「うん。絶対に見つける」 頷きあうと、叔母さんはドアを開けるために壁についてあるパネルを操作した。「えっと、ここをこうして……」 ピッピッと小さい音が何度か鳴ると、ドアが開いた。 瞬時に感じたのは熱気。 燃えるものが花しかないから、燃え盛っているってほどじゃあない。 それでも、一面の花畑が燃えているさまはまるで地獄の様だった。「さあ、急いで」 叔母さんの言葉に、みんな動き出す。 紅夜の方のエレベーターがあるのはあっちだ、と叔母さんが指し示す。 その方向へ、私も向かった。 赤。 真っ赤な炎。 一面の赤い花畑は、今は赤い炎の地獄へと変わっていた。 走りたいところだけれど、そうしてしまうと大きく息を吸うから煙を吸ってしまう危険がある。 空調がしっかりきいているから煙が溜まってきているってことはないけれど、吸わない方が良いことには変わりない。 私は早歩きに留めつつ急いで紅夜を探した。 途中、Kの仲間を何人か見かける。「うあぁ……やめてくれ、
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-10
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マイナ・ゾンネ②

 ロート・ブルーメの花畑の中。 一人たたずむ幼さの残る16歳の紅夜。 はじめは驚いて警戒されてしまったけれど、叔母さんの姪だと分かると警戒を解いて色々話をしてくれた。 紅夜の金の髪が綺麗で、太陽のようにきらめいて見えたから「花達の太陽はあなただね」って言った私に、紅夜は寂し気に返した。「花達の太陽か……俺が太陽だから、俺にとっての太陽は現れないのかも知れないな」 と……。 その顔があまりにも寂しそうだったから、つい無責任にも言ってしまったんだ。「私があなたの太陽になるよ。それで、ずっと一緒にいてあげる」 って。 あのときは紅夜の抱えているものの半分も理解していなかったから出た気軽な言葉。 でもすべてを知ってしまった今は、その言葉の重さも理解している。 理解した上で、その約束を守ろうと思った。 ずっと一緒にいたい。 それは、私の望みにもなったから。 あのときの紅夜の、泣きそうな笑顔を思い出して私は夢から覚めた。 ……。 …………。 はじめに見えたのは白い天井。 次が周囲を囲んでいるカーテンレール。 病院みたい。 ぼんやりとそう思うと、誰かに手を握られているのが分かった。 視線を向けると、愛しい金糸の髪が見える。「紅夜……」 かすれた声で呼びかけると、その頭がバッと上げられた。「美桜……? 目が、覚めたのか?」 震える声に、ああ、また悲しませてしまったんだな、と胸に痛みが広がる。「ごめん、ね? 心配かけて……」 そう言った私の頬に、震える紅夜の手が触れる。「美桜……俺のこと、ちゃんと覚えてる? また&
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-11
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