観測所の外側の壁はすでにひび割れ、色褪せていたが、建物自体はまだ無事で、この恐ろしい吹雪を凌ぐには十分だった。「よかった!助かるぞ!」全員が歓声をあげ、力を合わせて雪に埋もれた重い扉を押し開け、中へ駆け込んだ。観測所の中は埃まみれだが、様々な設備や生活用品は大体揃っていた。まもなく薪を見つけ、かがり火を焚くことができた。温かい炎が身を刺すような寒さを追い払い、ピンと張り詰めていた全員の心も、ようやく少し和らいだ。鷹と数名の隊員が周囲の警戒と確認を分担した。博人は未央をかがり火の傍らに座らせ、最後に残った干し肉を取り出し、温めて彼女に手渡した。「食べて、少しでも体力をつけるんだ」未央はうなずき、少しずつ食べていた。彼女がこの「避難所」を眺め回していると、ふと目が部屋の隅に忘れ去られたかのような金属のキャビネットに留まった。キャビネットの上が分厚いほこりに覆われていたが、そこに貼られた色褪せたラベルが彼女の注意を引いた。そこには外国語である単語が書いてあった――プロメテウス。プロメテウスと書いてあるのだ!未央の心臓がどきどきし始め、すぐに博人の服の裾を引っ張り、キャビネットを指さした。博人がその指さす方向を見ると、彼もそのラベルを見て、目を見開いた。ここに……どうして「プロメテウス計画」に関するものがあるのか!?彼はすぐに歩み寄り、その上のほこりを払い、キャビネットの扉を開けようとしたが、ロックがかかっていることに気づいた。鷹も異変に気づき、近づいてきた。「どうしたんですか」「このキャビネットがおかしい」博人は低い声で言った。鷹はためらわず、軍用シャベルでロックをこじ開けた。扉が開くと、中には人を驚かせる秘密などなく、ただ色褪せた外国語でびっしりと書かれた研究記録と図面がいくつか置かれてあるだけだった。博人が一冊の記録を手に取った。彼はその言語が読めないが、記録に見覚えのあるサインを目にした瞬間、雷に打たれたように完全にその場に立ち竦んだ。その書道家のように書かれたサインを、絶対に見間違えたりしない!それは彼の父親――西嶋茂雄のサインだ!父親が……ここに来たことがあるのか!?この廃墟となった気象観測ステーションが、父親と関係があると?これはいったいどういうことだ!?博人が激し
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