婚約披露パーティーがやっと終わり、疲れきった私は彼氏の賀来篤史(かく あつし)とようやく家に着いた。「部長が言ったよ、今回の昇進枠も俺にくれるだって」家に入った瞬間、彼は喜色満面で、私にそう言った。彼の嬉しいそうなの顔を見て、私は事実に口を拭った。彼は早めに昇進した理由――彼が勤めている会社は、私の家族――大塚(おおつか)家の資産である。そして、私は大塚家唯一の跡継ぎだからだ。「君は優秀だから、早めに昇進するのも当然のことよ」私は微笑みながら、言い放った。「結婚したら、お前は仕事を辞めて、専業主婦になろう。子供の面倒に手が焼けるし、俺が支えれば大丈夫だ」言いながら、彼が私の手を握った。「産後ケアを予約したんだ。今から見に行こうか」拒む余地もなく、彼に車に乗せられ、産後ケアセンターに向かった。子を産むのは軽い事じゃない。来年の事をいうと、鬼も笑う。僅かに不快が感じるが、目的地の産後ケアセンターを見た瞬間、その不快は一瞬できえてしまった。あれは姉さんが推薦した、この市内随一の産後ケアセンター。彼も彼のやり方で、私のことを気遣いしている。彼の為にも、予約を取るべきだと、私は思った。夜が遅いの原因で、産後ケアセンターの中一名の受付嬢しか居ない。彼女はピンクのスカートを穿いて、胸元に名札が付いてる。『高見玲子(たかみれいこ)』顔に媚びた笑みを浮かび、彼女は私達に寄り付く。どういうわけか、彼女はずっと篤史の顔を見つめている。ふと、彼女は私の方へ振り向いて、表情が急に冷たくなった。「お客様、こちらは高級店です。化粧もせず、パジャマの格好で当店を訪れると、ご主人の顔に泥を塗ると同然かと」私は思わず愕然とした。彼氏の篤史も何も言ってないのに、受付嬢に言われる筋あいはないでしょ、普通に。私が口を開く前に、針のような視線はまだ私に突き刺さってくる。「お客様、見た目によると、ご主人のずっと年上ですよね。もしあなたが子供を産んだら、もっと老けて見えますよ」高見は専門家みたいな口調でそう言った。「外見は、十歳ぐらい行ってしまうかもしれませんね」「しかも胸が小さいですし、きっと垂れますよ。お尻の方は元々垂れていますので、もっと醜くなりますわ」一瞬の驚愕の後、堪忍袋の緒は遂に切れた。産後ケアセンターの従業員なのに、言った言葉が女性を侮辱してい
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