史弥は外で一本タバコを吸ってから部屋に入った。玉巳はベッドにもたれかかり、顔色はさっきより明らかによくなっていたが、声はまだ弱々しい。「どうなったの、史弥。悠良さんは助かった?」史弥はうなだれ、全身から疲弊した様子が漂っていた。「命は助かった。でも、まだ昏睡状態で......いつ目を覚ますかは医者にもわからないって」玉巳は驚いて口を押さえた。「つまり......植物状態になる可能性が高いってこと?」「ああ」玉巳は眉をひそめる。「悠良さんが可哀想だわ。史弥、お医者さんに、全力で助けてくれるようにお願いして。植物状態になったら、一生が台無しだよ」史弥は眉間を揉み、目の下の青黒さが際立ち、全身からやりきれない気配を漂わせていた。「医者は命を繋ぎ止めるだけでも精一杯なんだ。目を覚ませるかどうかは......」こういう植物状態は、その後目覚めるかどうかは運次第だ。史弥の沈んだ様子を見て、玉巳は彼の手をぎゅっと握った。「史弥、安心して。悠良さんがこんな状態になった今、私、お腹の子だけは絶対に守るから」史弥は静かにうなずいた。悠良の件がまだ収まらないうちに、また新たな騒ぎが起きた。杉森から電話がかかってきたのだ。もともと心が苛立っていた史弥は、さらに苛立ちを募らせながら秘書の電話に出た。「今度は何だ?」「白川社長、大変です。ネットを見てください!」史弥の表情が一変し、ほとんど電話を切る暇もなく、すぐにウェブページを開いた。画面に飛び込んできたのは一本の動画。再生すると、瞳孔が一気に収縮した。それは小林家の裏庭で彼と悠良が口論している映像だった。監視カメラには、彼が悠良を突き飛ばし、彼女が地面に倒れ込む瞬間がはっきり映っていた。その動画の再生数はすでに数千万回を超えており......例外なくトレンドのトップに躍り出ていた。さらに、悠良が今も病院で昏睡状態のまま救急治療を受けているという情報も暴露された。コメント欄は激しい議論で溢れ返っている。悠良側を支持する者もいれば、史弥側を支持する者もいる。【白川社長って雲城一の純情男って呼ばれてたんじゃ?奥さんに優しいの、みんな知ってたのに。どうしてこんなことを?しかもDV?】【酷すぎる!殺す勢いじゃない!】【男
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