彼女の絵が相手に認められ、心から気に入られた――それは、二人の感性が確かに通じ合っている証だった。星はすぐにメールを返信した。【気に入ってくださって嬉しいです。ただ、もうお金には困っていません。本当に好きでいてくださるなら、これからは時間のあるときに、描いた作品をお贈りしますね】相手はパソコンの前にいたらしく、返信はすぐに届いた。だが、その内容は簡単だった――【感謝します】星は小さく笑い、それ以上返さなかった。彼女はスマホを取り上げ、怜央に電話をかけた。しばらく呼び出し音が続いたあと、ようやく通話がつながる。受話口の向こうから聞こえてきたのは、冷笑を含んだ男の声だった。「これはこれは。星野さん、もう曦光の件なんて忘れたかと思ってたよ」星は無駄話をする気はなかった。単刀直入に切り出す。「いつお時間ある?」その頃、怜央はsummerが描いた夕焼けの絵を見つめていた。淡々とした声で答える。「いつでも」星はスケジュールを確認しながら言った。「二日後の午前十時。自動車部品の問屋街の入口で――いい?」怜央がふと問い返した。「仁志も来るか?」その名を聞いた瞬間、星の全身に緊張が走る。「……どういう意味?」彼女の張りつめた声に、怜央はなぜか愉快そうに笑った。「そんなに身構えて。俺が彼に危害を加えるとでも?」星の声は、氷のように冷たくなった。「怜央。あなたが今どんな立場にいるか、自分で分かってるはずよ。これ以上、仁志に手を出すなら――もっと悲惨な末路を迎えることになるわ」怜央は、これまで数えきれないほどの悪意や呪詛を浴びてきた男だ。星の警告など、痛くもかゆくもない。彼は鼻で笑う。「人を殺したこともないお前が?どうやって俺を、今以上に惨めにできる?」星は、それ以上彼の声を一秒たりとも聞いていられなかった。通話を一方的に切る。怜央は切断された画面を眺め、鼻で笑うと、今度は明日香に電話をかけた。「明日香。明後日、時間ある?」……二日後。星と仁志は、約束通り自動車部品の問屋街の入口に到着した。車を降りたその直後――遠くから一台の車が、二人めがけて猛スピードで突っ込んできた。ナンバーを見た星は、眉をひそめる。こんな狂気じみた真似をするのは、ただ一人。――怜
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