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理由2

Auteur: みゃー
last update Dernière mise à jour: 2025-06-18 17:34:39
理久は、秒でクロを引き取る事を決めた。

そして、クロは、理久を一目見て恋し、更に感覚ですぐ分かった。

とても優しい人間だと。

すぐ立ち上がり、しなだれていた尻尾を珍しく振り、膝立ちしていた理久の太ももに顔を擦り寄せた。

すると、理久は、子犬がいいと言う理久の母の文句を一蹴して、クロを抱き締めた。

それからクロは、楽しかった。

ケガもみるみる完治した。

クロは、凄く幸せだった。

理久が学校へ行っている以外は、ほぼ一緒。

食事も、

勉強中も、

理久一人でゲーム中も、

テレビを見ていても、

家族旅行も、ベッドの中も、時には風呂でさえも…

もう、何年も前からそうだったと思いたくなるほど…

違和感も無く自然で心地良く…

ずーとずーと、ずーと一緒。

そして、本当に理久は、クロの面倒をよく見てくれた。

しかし、そんなある日、クロの脳裏に突然、獣人である記憶が戻ってしまった。

どうすればいいのか?

理久に本当の事を打ち明けるべきなのか?

しかし、人間からしたら獣人など、化け物だと受け入れてもらえないかもしれない。

そして何より、理久が妖怪や幽霊、UMAなどが大の苦手で恐れているのを知っていた。

記憶が戻ってもまだ犬の姿のまま、クロは数日悩んだ。

しかし、満月の夜。

クロは、理久の風呂上がりの匂いに、発情してしまった。

我慢しなければ…

我慢しなければ…と、すでに滾っている下半身を一生懸命耐えようとしたが…

クロはついに人型になって、口から鋭い双牙を出し、ベッドで眠る理久を襲いそうになった。

その性欲は凄まじかった。

クロは、こんなに誰かを欲しいと思った事が無かった。

それでも、必死でなんとか耐えた。

だが…

クロは、遂にたまらなくなって、人型のまま理久の家を出た。

そして、自分が初めてこの世界に出た、あの公園へ行ってみる事にした。

僅かな外灯の灯りとあの時の虚ろな記憶で、どの辺りの木から自分が出たか探す…

すると、沢山の木に囲まれて、それらしいものがあった。

クロの抜群な視力で、少し遠くから眺めていると、突然…

その木の根本近くに、白い大きな月の模様が浮かんできた。

まるで、これから満ちていく三日月の形。

それは…

実は
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