Home / BL / その色は君への愛の証 / Kabanata 31 - Kabanata 33

Lahat ng Kabanata ng その色は君への愛の証: Kabanata 31 - Kabanata 33

33 Kabanata

第31話

「あ、いや、それは大丈夫! 僕の方こそごめん!」僕が頭を下げると、「どうして、優樹が謝るんだ?」と、本宮さんがきょとんとしながらたずねた。「いや、えっと……僕が、起こしちゃったかなって。昌義さんの髪、なでてたから」と、僕はしどろもどろに答える。「別に、気にする必要ねえよ。遠慮せずに、もっとなでてもいいんだぜ?」なんて言って、本宮さんは微笑んでいる。その笑顔がとてもかっこよく見えて、僕はときめいてしまった。顔が真っ赤になっているだろうから、すぐにでもベッドに潜り込みたい。けれど、さすがに許してはくれないだろう。「そ、それじゃあ……失礼して」と、意を決した僕はおずおずと彼の頭をなでる。うっとりと目を細める本宮さんは、とても無防備で。普段はなかなか見られない彼の一面に、ドキドキする。とろけるような笑みを見せる彼を、とてもかわいいと思ってしまった。(大人の男の人に、『かわいい』は、おかしいかな?)ふと、そんな疑問が浮かび、僕は手を止めた。「どうした?」と、本宮さんが小首をかしげる。「あ……いや、何でもない!」唐突に恥ずかしくなった僕は、取り繕うように言ってそっぽを向いた。「何でもないって態度じゃねえな?」と、本宮さんが僕の顔をのぞき込もうとする。僕は、それを阻止するように彼に背中を向けた。「優樹? こっち向いてくれよ」本宮さんはそう言いながら、僕を後ろから抱きしめた。彼のぬくもりが心地よくて、身を委ねたくなってしまう。それを知ってか知らずか、本宮さんは、僕のうなじに何度もキスを落とす。その感触に、変な声が出そうになった。どうにか我慢していると、「なあ、優樹。何か思ってることがあるなら、お前の言葉で教えてくれないか?」と、本宮さんが僕の耳もとでささやいた。「――っ!」一瞬、心臓が止まるかと思った。い
last updateHuling Na-update : 2025-10-08
Magbasa pa

第32話

「しばらく、そうさせてあげな。だいぶ、気に病んでたみたいだから」と、母さんが優しく言った。そんなことを言われてしまったら、何も言えなくなってしまう。僕は、もう一度ごめんと言って、父さんの気が済むまで抱きしめられていることにした。母さんがリビングに行くのを、横目で確認する。「本宮、今日はありがとね」「いえ。俺も心配だったんで」という母さんと本宮さんの会話が聞こえた。その短いやり取りだけで、僕がどれほど2人に――もちろん、父さんにもだけれど――愛されているのかを感じた。母さんと本宮さんの声音が、いつもより優しいものだったからだ。(もう、無理はしないでおこう)僕は、密かにそう心に誓う。僕が大切に思っている人たちを、もう悲しませたくないから。「そういえば、夕飯はもうできてるって言ってたよな?」気が済んだのか、父さんは僕から離れてそんな疑問を口にした。僕はうなずいて、すぐに準備するからと告げた。父さんが手伝うと言ってくれたけれど、笑顔で断った。病み上がりとはいえ、動けないわけではない。何よりこれは、心配をかけてしまったことへのお詫びみたいなものだからだ。全員分のカレーとスープを配膳して、食卓につく。「えっと……ご心配をおかけしました。これは、僕からのお詫びってことで」召し上がれと言うと、母さんがいきなり笑い出した。「何を改まってるんだい、この子は。心配するのは、当たり前だろ? でもまあ、せっかく作ってくれたんだし、いただこうかね」と、カレーに手をつける。母さんに続いて、僕たちもいただきますと言って食べ始めた。ほどよい辛さのカレーは、思ったよりもコクが増していた。隠し味に入れたチョコレートのおかげだろう。鼻から抜けるほんのりと甘い香りが、チョコレートの存在をアピールしている。「美味い!」と、本宮さんが顔をほころばせる。「よかったな、優樹」と、にこやかな父さんに言われ、僕は満面の笑みでうなずいた。
last updateHuling Na-update : 2025-10-15
Magbasa pa

第33話

「ん? そうなのか?」と、僕の方を見る本宮さん。いつも以上に色っぽい彼に、僕は思わず息を飲んだ。まさか、こんなにも色気が増すなんて思ってもみなかった。小首をかしげる本宮さんから視線をはずして、僕はうなずいた。さすがに、妖艶な彼を直視するなんて勇気は、今の僕にはない。「普段、ほとんど飲まないからね。たまに飲むと、さすがに酔っぱらうみたいだよ。それに、今日は本宮もいるからね。浮かれてるんじゃないかい?」と、母さんがキッチンから戻ってきた。その手には、真新しいグラスが2つほどある。「はい」と、そのうちの1つを僕の前に置いた。「これは?」僕がお礼を言ってたずねると、「はちみつレモンだよ」微炭酸のねと、母さんが答えた。その言葉に、僕は面食らってしまった。今まで、食後――それも風呂上がりに作ってもらったことなんてない。早く寝なさいとどやされるのが、日常だった。(これも、昌義さんのおかげかな)そんなことを密かに思いながら、はちみつレモンに口をつけた。はちみつの甘さと爽やかなレモンの香りが、口の中で広がる。ほどよい微炭酸の刺激もあって、風呂上がりのほてった体に染み渡るようだった。「ほら! 修吾さんは、これ飲んで」と、母さんは父さんに水を勧めている。「……甲斐甲斐しい亜紀先輩、初めて見た」本宮さんが、ぽつりとつぶやいた。「そうなの? うちじゃあ、わりとこんな感じだけど」と、僕は両親を見ながら言った。父さんは、まだはちみつ酒を飲むと駄々をこねている。そんな父さんをあしらいながら、母さんははちみつ酒がまだ残っているグラスを水入りのグラスにすり替えて飲ませていた。たしかに、ここまで父さんの世話を焼くのは、珍しいかもしれない。でも、母さんは、基本的に誰かの世話を焼くのが好きなタイプだと思う。口では文句を言いながらも、母さん自身が楽しんでいるように見えたからだ。「たしかに、姉御肌で面倒見がいい人だよな。でも、俺が知
last updateHuling Na-update : 2025-10-22
Magbasa pa
PREV
1234
I-scan ang code para mabasa sa App
DMCA.com Protection Status