All Chapters of 離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー: Chapter 171 - Chapter 172

172 Chapters

171.Rの疑惑①

華side月曜日、昼休みの時間帯を見計らって父に電話を掛けた。この時間なら仕事で会社にいるため、継母や神宮寺家の人間に会話を聞かれることはないと思ったからだ。「この前は、子どもたちにお祝いをありがとうございました。ランドセルや入学準備などに使わせてもらいますね。ご迷惑でなければ写真を送ってもよろしいでしょうか?」「ありがとう。楽しみにしているよ。あの子たちは、私の孫には変わりないからな……」少し戸惑いながらも受け入れようと言い聞かせているようにも聞こえる口調で、父は答えた。父としては複雑な心境だが、それでも子どもたちのことを認めてくれたことがとても嬉しかった。「みなさん、お元気ですか?おじいさまの体調はいかがですか?」「大丈夫だ。薬は飲んでようだが、元気にやっているよ」父の言葉は、以前護さんが話してくれた時と一致している。私は、わずかな手の震えを抑え、小さく深呼吸をして呼吸を整えてから、一番聞きたかったことを尋ねた。「それなら良かったです。あの、玲とはよく会っていますか?家に来ることはあるのですか?」父は、一瞬だけ沈黙した。その沈黙が私の心臓を強く締めつけた。
last updateLast Updated : 2025-09-09
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172.Rの疑惑、護の暴走

華side父との電話を切った後、私の心の中で疑惑の渦が少し大きくなったのを感じた。(玲は、平日の昼間に実家に顔を出している?玲も仕事があるのに、平日の昼間に実家に行っているというの?護さんは、玲とは会っていないと話していたけれど、もし護さんが、玲が来る曜日に合わせて実家に出入りしていたら……。)護さんが以前、私に「玲とはもう何年も会っていない」と話していた言葉が頭の中で反芻される。しかし、玲は平日の昼間に実家へ行っているらしい。護さんは毎日、神宮寺家を訪れているわけではないので、必ずしも居合わせるとは限らない。この情報だけでは、護さんが嘘をついていると断定することはできなかった。そして、父から聞かされた話も私の心に重くのしかかる。『三上くんが、私が別荘を訪問した次の日に電話をくれたんだ。華と付き合っていることを本来ならすぐに報告すべきところを黙っていて申し訳なかったと言っていたよ。』護さんの真面目な性格につい笑みが零れたが、次の言葉で表情は硬直した。『真剣に付き合っていて、結婚も考えていて既に華にも伝えたと聞いた。それで、今までの事や、色々と問題もあるから、結婚を機に家族四人で暮らしたいと伝えられたんだ。場所も長野ではなく全然違う場所がいいとね。今の場所に何かトラブルでもあったのか?』結婚の返事をまだしていないことにしびれを切らした
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