華side月曜日、昼休みの時間帯を見計らって父に電話を掛けた。この時間なら仕事で会社にいるため、継母や神宮寺家の人間に会話を聞かれることはないと思ったからだ。「この前は、子どもたちにお祝いをありがとうございました。ランドセルや入学準備などに使わせてもらいますね。ご迷惑でなければ写真を送ってもよろしいでしょうか?」「ありがとう。楽しみにしているよ。あの子たちは、私の孫には変わりないからな……」少し戸惑いながらも受け入れようと言い聞かせているようにも聞こえる口調で、父は答えた。父としては複雑な心境だが、それでも子どもたちのことを認めてくれたことがとても嬉しかった。「みなさん、お元気ですか?おじいさまの体調はいかがですか?」「大丈夫だ。薬は飲んでようだが、元気にやっているよ」父の言葉は、以前護さんが話してくれた時と一致している。私は、わずかな手の震えを抑え、小さく深呼吸をして呼吸を整えてから、一番聞きたかったことを尋ねた。「それなら良かったです。あの、玲とはよく会っていますか?家に来ることはあるのですか?」父は、一瞬だけ沈黙した。その沈黙が私の心臓を強く締めつけた。
Last Updated : 2025-09-09 Read more