華side「護さん、あの……」「瑛斗がここに来たんだって?何しに来たんだ」部屋に入ってすぐ、私が話をしようとする前に、護さんが口早に問いかけてきた。その声は、これまで聞いたことのないほど冷たく乾いている。そして、瞳には凍りつくような光が宿っていた。「違うわ、瑛斗はここに来ていない。来たのは、お父様よ」護さんの態度に戸惑いながらも事実を話したが、護さんは私の言葉を信じようとしない。「じゃあ、なんで子どもたちは瑛斗の名前を出すんだ?おかしいだろ!!」今まで聞いたことのない取り乱しているような護さんの口調に、私は驚きを隠せずにいた。「華ちゃん……、何か隠していることがあるみたいだね?なんで子どもたちが『瑛斗』って名前を出すのか、彼の名前を知っているのか、と僕は聞いているんだよ?」「それは……」「それは、なんだい?僕は君を信じている。だから本当のことを話してごらん」護さんが私を見る瞳も、投げかける言葉も、いつ
最終更新日 : 2025-09-04 続きを読む