「ママが来たら、私たちすっごく怒られちゃうの。だから、あんまり怒らないであげてって言って欲しいんだ」自分たちのしたことを分かっているのだろう、心配をかけたことで怒られると思い、俺に援助を求めてくる姿がいじらしかった。その必死さに俺は思わず笑みがこぼれた。「そうか、怒られるのが怖いんだな。分かった。じゃあ、ママが来たら少しだけお話しさせてもらえるかな。その時に、二人のことを怒らないようにちゃんと言っておくから」「うん!!!!」二人はホッとしたような声で、元気よく返事をした。その時、遠くからこちらに向かって走ってくる華の姿が見えた。いつもはワンピースで清楚な格好が多い華だが、この日はデニムにスニーカーと動きやすい格好をしている。それほど、必死で探し回っていたのだろう。「慶、碧!!!!!!」華は、二人を見つけると、全速力で駆け寄り強く抱きしめた。その目からは涙がとめどなく溢れ出していた。「心配したんだよ、良かった、本当に良かった……」「うあーーーん、ママ、ごめんなさい」「ママ、心配かけてごめんね、怖かったよー」
最終更新日 : 2025-08-29 続きを読む