「お父様……。お願いがあります。私を瑛斗さんの妻にさせてください。」「…………なんだって?」 私の言葉に、父は言葉を失っていた。 「今は華の行方を探すのが第一だろう。なんで玲が一条家に嫁ぐんだ。瑛斗くんは華の夫だぞ?結婚なんて出来るわけないじゃないか。」 「お父様、お言葉ですがお姉ちゃんは菅原家の嫁として嫁いだのにも関わらず現に今失踪しているのですよ。それは菅原家に対して失礼なのでは?」 「それは……。」 「お姉ちゃんと瑛斗さんは政略結婚で瑛斗さんを支えるのが役目なのにお姉ちゃんは放棄している。今、瑛斗さんを支える人が必要なんです。今後の関係を悪化させないためにも私が瑛斗さんの妻になり支えていきます。私は神宮寺家の令嬢として使命を全うしたいのです」 「相手のご意向もある……。うちだけでは決められない」 「それでは場をもうけてください。私は覚悟はできていますし、瑛斗さんがいいんです。」私の一言で、姉の失踪を一条家も知ることとなった。
Last Updated : 2025-06-15 Read more