บททั้งหมดของ 捨てられ妻となったので『偽装結婚』始めましたが、なぜか契約夫に溺愛されています!: บทที่ 91 - บทที่ 98

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  いち、じゅう、ひゃく――桁が進むたびに指先が冷たくなって、喉がカラカラになった。 「……100、まんえん……」 「そう。“BSD”の新作はカスタム1点物で、シリアルナンバーが付いている1000本限定って書いてあるよ。チェーン長とチャームを選んで世界で一本にするの。いま、都内セレブ界隈でバズり中。転売も相場が狂ってる。——つまり、あの2人はアンタが持っているブレスレットが金になるって知って狙った可能性が高い」  亜由美の言葉が、胃のあたりに重く沈む。怒りと悔しさで目の奥が熱くなるのに、不思議と頭だけは澄んでいく。 「……泳がせる。今ここで揉めてもこっちが悪者にされるだけ。言及できなくなる。証拠を固めよう」 「そうだ。プレゼントしてもらったなら、ボックスとか保証書とか残ってないの?」 「家にちゃんと保管してあるよ。私もそれ考えてた。シリアルナンバーついてると思う」  大事な蓮司からの贈り物だもん。箱ごと保管してあるよ!  私は即座に社内チャットへ「訪問者ログと該当カメラ映像の保全依頼」を投げ、球児と愛人を要注意リスト登録を依頼した。 「亜由美、帰るね。家の保証書、番号、全部確認する」 「送って
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-30
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  総務の防犯担当に「緊急で静止画だけでいいから証拠映像が欲しい」と頼み、来客ブースと廊下の様子をそれぞれ書き出してもらった。来客ブースでの時刻、フレーム番号、私の左手首を球児がぐいと引っぱった瞬間——輪がきしむあのコマまで、全部映っている。それをデータでもらった。  よし。これで球児に触れられるまでは私の手にブレスレットが映っていたという証拠ゲット。 その旨亜由美に伝えると、電話が届く。「殴り込みに行こうか。ついてくよ」 「ありがとう。ぜひ、お願い」 「アンタあの旦那にはなんか弱いもんね」 「はは…」 「旦那、どこ住んでんの?」 「昔私たちが住んでたとこ」 「マジか…とんでもない男だね。ヤキ入れてやろう」  亜由美は若干元ヤン気質な所がある。徐々に口調が荒くなってくる。  相当お怒りの模様とみた。  私は早速もらったデータをプリントアウトして、証拠一式(来客ログ、監視静止画、保証書のコピー、私の着用写真、愛人のSNSスクショ)をクリアファイルに差し込み、ICレコーダーをオン。封筒には簡易な念書フォームを用意した。  球児にはブレスレットの返還、今後御門ひかりへの一切の接触禁止のひな形。破ったら即警察に行く、と。これで十分でしょう。 私と亜由美は球児の集合住宅の前に立つ。ここを見た瞬間、胸がざわつく。結婚前、一緒に探して、借りた場所。家賃安いし治安も若干悪いけど、住んでみたらそんなことはなくて、ちょっとボロのところも良かったし、なにせよ幸せだった。 「どした? 感傷に浸ってんの?」 「まさか。あんな男とはとっくに終わってるし。いっときは幸せな時期もあったのに、どこをどうしてこうなったんだろ、って思ってただけ」 「だよね。ヨリ戻すためにどうしようとか考えて
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-31
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「お話を伺えない場合、この足で警察署に向かいます。どうされます? 話し合いに応じていただけますか?」 亜由美が有無を言わせぬ圧力をかける。球児は昔から亜由美が苦手だったことを思い出す。 だから彼女はわざわざついてきてくれたんだ。ありがたい。 無事にブレスレット取り返したら、なんかおごる!!「5分だけだ」「結構です。5分で済めばいいですね、お互い」 意味深な言葉で更に球児をざらつかせる亜由美。さすがだわ~。 私も当時からこれくらいできていれば、この男にナメられずに済んだのに。 ドアチェーンが外される。私たちを迎え入れると、愛人はソファの肘に腰かけ、スマホを伏せていた。腹はさっきよりも出ている演出が笑える。たった1時間ほどで大きくなるお腹ってどんな妊婦よ。 アホすぎて笑えてしまう。「もう帰っていいって言うから帰ったのに~。まだなんか文句あるの~?」「はい。大アリです」  私は靴を揃え、亜由美と共に家に上がり込んだ。彼らがくつろいでいた狭いリビングのテーブルに証拠を一枚ずつ置く。落ち着いた声でブレスレットがなくなった経緯を説明し、順番に確認を促す。「まず、これは来客ログです。あなたたちが入館した時刻です」 紙に赤線を引く。「次に、ここ。あなたが私の左手首を引いた瞬間の静止画」 球児の顔がぴくりと動く。「あなたが私に触れた後、ブレスレットがなぜかなくなっているのです。落ちてもいないし、どこにもない。さて、これはどういことでしょうか」「知らねえよそん
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-11-01
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 「亜由美、今日はありがとね」 「どういたしまして~。あいつらの顔、最高にすっとしたね!」 「うん。亜由美のおかげだよ。ありがとう」 「そんなことない。ひかりが勇気を出して頑張ったからだよ。私はちょっと手伝っただけ」 亜由美の言葉にじんとくる。 「ううん。ひとりじゃ取り返せなかったかもしれないし、亜由美がいてくれて心強かった。ありがとう!」 「よーし、じゃあ夕飯おごれ♡」 「もちろん! おごりますとも!」  私たちは笑いあって歩いた。  カツカツと地面を鳴るヒールの音がやけに誇らしく聴こえた。  亜由美と居酒屋で食事をした。別れて家に帰ると、スマートフォンが震えた。新着通知——“@ena_baby 投稿がありました”。 《だぁりんにもらった腕輪なくなっちゃったよ~》 《ぴえん(泣)》 ぴえんってなに(怒)  こっちがぴえんって言いたいわ! 《そんでぇ~赤ちゃんがお空に帰ってしまいました泣泣》  いやいや、はなからあなたの元には赤ちゃん来てなかったよ?  しかもノリ軽すぎない? どれだけ世の中に不妊で苦しんで、辛い思いをしている人がいると思ってんのよ!  冗談でもこんな投稿しちゃだめでしょーがっ!!  私だって…子供欲しかったのに…、辛い記憶
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-11-04
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  稽古場を出ると、玄関の戸の向こうに夜の匂いが溜まっていた。水気を含んだ土。知らない間に少し雨が降っていたみたい。最近雨が多いな。  ふう、とため息をついた瞬間、膝が遅れて震える。そこでようやく、私は自分の体重がちゃんと戻ってきたことを知った。体バキバキ、背中超痛い。ついでに足が死んだ。暫く動けなくて10分くらい余分に時間もらって隅でじっとしていたのよね。さっきまで。  門を出ると、亜由美がポストにもたれて待っていた。街灯に照らされて、彼女の目尻がきらりと笑う。 「よく頑張ったね。正直言うと、あの母親の厳しさについていけなくて、音を上げて帰ると思ってた」 「やるって決めた以上は頑張るしかないよ。できていないんだし、時間もないからそれでいいよ。できない私が悪いんだから」 「あの人に初回から付いていけるなんて、やっぱひかりは根性あるわ。だから好き」  やんちゃな亜由美らしいな。まあでも、だからこそ気が合う。 「諦めたくないんだけど、どうにも向いてないよね。どうしたらいいかな」 「どうしようもないね。で、向いてないのわかる」 「だよね…」 
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-11-06
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