いち、じゅう、ひゃく――桁が進むたびに指先が冷たくなって、喉がカラカラになった。 「……100、まんえん……」 「そう。“BSD”の新作はカスタム1点物で、シリアルナンバーが付いている1000本限定って書いてあるよ。チェーン長とチャームを選んで世界で一本にするの。いま、都内セレブ界隈でバズり中。転売も相場が狂ってる。——つまり、あの2人はアンタが持っているブレスレットが金になるって知って狙った可能性が高い」 亜由美の言葉が、胃のあたりに重く沈む。怒りと悔しさで目の奥が熱くなるのに、不思議と頭だけは澄んでいく。 「……泳がせる。今ここで揉めてもこっちが悪者にされるだけ。言及できなくなる。証拠を固めよう」 「そうだ。プレゼントしてもらったなら、ボックスとか保証書とか残ってないの?」 「家にちゃんと保管してあるよ。私もそれ考えてた。シリアルナンバーついてると思う」 大事な蓮司からの贈り物だもん。箱ごと保管してあるよ! 私は即座に社内チャットへ「訪問者ログと該当カメラ映像の保全依頼」を投げ、球児と愛人を要注意リスト登録を依頼した。 「亜由美、帰るね。家の保証書、番号、全部確認する」 「送って
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-30 อ่านเพิ่มเติม