蓮司を意識して迎えた朝。彼が夫として私の目の前にいる喜びと尊さに感謝。 シリウスの散歩に一緒に出掛け、軽いモーニングで一緒に食事。遠慮なく一緒に出社して席に着く。 さあ。今日も仕事頑張るぞ! 朝礼・ミーティングを終えて席に着き、早速クライアントからのメールをチェックしていると外線が鳴った。この部全体にかかってくる電話なので、誰が撮っても構わない。私がすぐさま受話器を上げた。 「お電話ありがとうございます。――はい」 ニシトモ、と社名を聞いた瞬間、背筋がすっと伸びる。 『先日は御社の御門さんにわざわざご足労いただいて、こちらの確認不足で申し訳なかったね」 担当は永井さんとおっしゃる初老の方。システムにはあまり詳しくないため、うちに丸投げされている。監修から設置、サービスその他アフターフォローまで諸々。「御門さんはいるかな?」「申し訳ございません。御門はただいまミーティングにつき、席を外しておりまして。よければわたくしが伺いますが、いかがされましたでしょうか?」「ええとね。今度は神戸の新店舗のシステムチェックをおねがいしたいんだ。御門さんは若いのにとても優秀だし、現場をテキパキしきってくれて、感動したんだよ。よければ神戸の方にも研修指導で来て欲しくてお願いなんだけど」 「左様でございましたか。では、わたくし、中原がその旨伝えます」「中原さん?」
Last Updated : 2025-10-10 Read more