小夜は、頭が割れるように痛かった。耳に入ってくる言葉は遠く、視界も霞んでいる。全身が火のように熱く、指一本動かせないほど力が入らない。彼女が意識も朦朧と、顔を真っ赤にして黙り込んでいるのを見て、航は額に手を当てた。彼は「熱っ!」と叫ぶと、慌てて外へ飛び出し、この家の女主人を呼びに行った。小夜は高熱を出していた。ひとしきり大騒ぎして薬を飲ませると、彼女はようやく泥のように眠りについた。その眠りは苦しいものだった。混濁した意識の中で、小夜は夢を見た。ずっと昔に戻る夢だ。それは、彼女が圭介と初めて出会った時のこと。七年前よりも、もっと前のことだ。まだ大学に通っていた頃、彼女は親友の芽衣と霜雪に覆われた林道を歩いていた。舞い散る雪が彼女の髪に降り積もる中、芽衣と笑い合いながらふと振り返ったその時、視線が校舎の渡り廊下に立っていた圭介に吸い寄せられた。廊下には大勢の人がいた。だが、圭介はその中心に立ち、一際目を引いた。隠しきれない気品と、圧倒的な存在感。そして、あの妖艶で鋭い切れ長の瞳が、彼女の心臓を射抜いたのだ。雪越しに、二人の視線が絡み合う。その瞬間、風が吹き、雪が舞い上がり、小夜の心は乱れた。彼女は慌てて視線を逸らした。「はぁ、はぁ……」小夜は驚いて目を覚ました。全身びっしょりと冷や汗をかいている。彼女は暗闇の中で目を見開き、虚空をじっと見つめた。動悸が激しい。なぜ突然、過去の夢など見たのだろう。今になってようやく理解した。あの過去の偶然、あの一瞬のときめきが、自分を深淵へと引きずり込んだのだと。そこは、地獄だった。……夜の帳が下りる。長谷川邸。書斎には薄暗いテーブルランプが一つだけ灯っていた。薄暗い光の中、圭介はデスクの後ろに座り、半身を闇に沈めていた。うつむいた彼の視線は、机の上の写真に注がれている。その妖艶な切れ長の瞳には、読み取れない暗い光が宿っていた。写真には、十九歳の小夜が写っていた。霜雪に覆われた林道で、純白のダウンジャケットを着た若い女の子が、舞い散る雪の中に立っている。その笑顔は明るく輝き、髪に積もった雪さえも、まるで彼女を飾る宝石のようだ。雪の精霊のように、生き生きとして美しかった。この写真は、彼が撮ったものではない。当時、彼と
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