竹園。徒花アトリエの前には数台の高級車が停まり、七、八人のスタッフが立ったり座ったりして、入口のあたりで固まっていた。アトリエの内部では、珠季が小夜がこの数年で手掛けたデザインのポートフォリオを一枚一枚めくっていた。時には眉をひそめ、時には頷いて表情を和らげる。半分ほど見終えたところで、珠季は不意に顔を上げ、そばに控えていた小夜に、思いがけない問いを投げかけた。「本当に、悲しくないの?後悔はしない?」小夜は一瞬、呆然とした。大叔母が何を尋ねているのかを理解すると、どうしようもない、というように苦笑した。「大叔母様、もう、来る途中ずっと聞かれましたよ。本当に、決めたんです」彼女が圭介の浮気と離婚を決意したと口にしてからというもの、大叔母はずっと不機嫌な顔で、道中、悲しくないのか、後悔しないのかと繰り返し尋ねてきた。もう、うんざりするほどだった。珠季は彼女の決意が固いことを見て、表情を少し和らげた。しかし、すぐにまた怒ったふりをして、軽くテーブルを叩いた。「何よ、少し聞いただけで、もう私がうるさいとでも言うの?」「そんなことありません」小夜は少し席を詰め、大叔母の手をそっと握った。「大叔母様に会うのは、本当に久しぶりですもの。毎日でもお話ししたいし、お話を聞きたいです。どんな話でも」「久しぶりだって、よく言うわ!」そう言ううちに、珠季の目は少し赤くなり、その年老いた声には嗚咽が混じり始めた。「七年よ、七年。小夜、この大叔母に、あといくつの七年があると思う?あんたも薄情な子ね。私が会いたくないと言ったら、本当に会いに来なくなるなんて。私が頑固なのはともかく、あんたまで意地を張って。私をこんなにムカつかせて、ほんと死んじゃいそう!」小夜の記憶にある限り、この大叔母は常に強く、威厳があった。これほど感情的で、悲しげな姿を見せたことは一度もなかった。大叔母は生涯独身で子供もおらず、若い頃に実家と縁を切ってからは、この姪孫である自分だけを、我が子のように気にかけてくれていた。それなのに、自分はなんて物分かりの悪いことを。彼女は、本当に大叔母の心を傷つけてしまったのだ。後悔の念が鉛のように心を沈ませ、ずっとこらえていた涙が、ついに堰を切って溢れ出した。小夜は大叔母のそばに寄り、その場にしゃが
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