棗さん私を優しく抱きしめてくれた。そして頭を撫でてくれる。「……棗さん」「愛しているよ、聖良」「……はい。私もです」棗さんが私を思ってくれているように、私だって棗さんのことを本気で思っている。「さ、家に帰ろうか?聖良」 「はい。……美味しいご飯、作りますね」「ああ。楽しみにしている」棗さんも、今日は疲れただろうな……。「はい。……今日はカレーにしようと思いますが、大丈夫ですか?」「ああ。聖良の作るカレー好きだから、全然いいさ」「ありがとうございます」家に帰ると、早速私は夕飯を作りを始めた。 棗さんはいつも美味しいと食べてくれるから、作る度に嬉しくなる。「うん。美味い」「本当に?良かったです」棗さんは、よっぽどお腹が空いてるのか、カレーを美味しそうに食べていた。 その美味しそうに食べる表情を見て、私まで嬉しくなる。「ゲホゲホ……」棗さんは勢い良く食べすきたのか、むせてしまっていた。 「大丈夫ですか?棗さん?」「ああ、大丈夫だ……。すまない」「もっとゆっくり食べて大丈夫ですよ?カレーは逃げませんから」「ああ……。がっつきすぎたな」「そうですね。お水、もっと飲みますか?」「ああ」私は棗さんに水を渡した。 水を飲む姿の棗さんも、カッコイイ。だけどそんな棗さんを見ると、幸せだなと思うし、こんな棗さんの姿を見れるのは私だけ。だからこそ、この幸せをずっと感じていたい。 棗さんと二人で幸せになって、いつかお父様に子供の顔を見せられる時が来るといいなって思った。それまでお父様が、生きていてくれるといいな……。「聖良、こっちに来てくれ」「はい」お風呂から上がって髪の毛を乾かし終わって寝室へ行くと、棗さんが私をベッドに呼んだ。 私が棗さんの隣に行くと、棗さんは優しく唇を重ねてきた。「……棗、さん?」「今日は色々あって、疲れた……。もう寝よう」「はい」棗さんは私を愛おしそうに抱きしめながら、その日の夜は一緒に眠りについた。✱ ✱ ✱ それからしばらくが経った。気が付けば私たちは、結婚して間もなく一年が経とうとしていた。手術をしていたお父様も容態も安定していて、一応は退院して今は自宅で療養しているようだった。今の所、転移もなく安定はしているそうだけど。 まあこれからどうなるか分からないから、油断は出来ない
Last Updated : 2026-01-27 Read more