廃寺からの帰路は、驚くほど静かだった。あれだけ荒れていた空白核の暴走が消えたせいか、空気そのものが軽く澄んでいる。風も、光も、世界が“ほっと息をついた”みたいに穏やかだ。三魂は私の周りをふわふわと飛び回っている。ユキナは白い布のような衣がひらめき、クロトは黒影をまとった少年の姿、ルーメは金色の羽を持つ小さな天使。三人とも、完全に“世界に存在できる魂”になったのだ。ユキナが袖を引きながら言う。 『……おねえちゃん……あれ……なに……?』視線の先には、王都の城壁。 遠くからでも見えるくらい、たくさんの人が門に並んでいた。レーンがにやりと笑う。 「そりゃあ、国を救った英雄が帰ってくるんだ。盛大に迎えてくれるさ!」「へ、英雄なんて……」リビアがため息をつく。 「事実じゃろう。主殿が世界を救ったのは確かじゃ」「いやいや、みんながいたおかげで私は……」クロトが腕にしがみつく。 『エリシア……エラい……ボク、しってる……』ルーメも胸に飛び込んでくる。 『ママ、マモッタ! ママ、ゲンキ! エラい!』「いたたた……わかった、ありがとう……!」カイラムは小さく笑い、指揮官の顔に戻る。 「行くぞ。王都が待っている」◆◆◆門が開いた瞬間——眩しい光と歓声が押し寄せてきた。「エリシア様ー!!」「お帰りなさいませ!!」「宰相様もご無事で……!」「三魂様だ!! あの光の子たちが……!」ユスティアが私を守るようにそっと腕を広げる。 「エリシア様、押し寄せられると危険ですので……!」三魂は初めての大声にびくっと震えた。ユキナは袖につかまり、『……ひと……いっぱい……』クロトは私の後ろからひょこっと顔を出し、『……コワイ……でも……エリシアと、いる……』ルーメは両手を広げて、『ワァァァ!! おっきいこえ!! わらってる!!』「ルーメは強いね?」そんなやり取りをしていると——前方から、誰よりも早く私に飛びついてきた人がいた。「エリシアぁぁぁぁ!!!」「お母様——!?」私の母は涙ぼろぼろ、髪ぐしゃぐしゃで、私を抱えてぐいっと振り回す。「もうっ……! 心配で心配で……!!」「ま、待って、三魂が落ちる落ちる……!」父も駆け寄ってきて、なぜか腰を押さえながら叫んだ。「エリシア!! 無事か!! 腰は無事!! 父も無事!! 世界も
آخر تحديث : 2025-12-15 اقرأ المزيد