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第166話:影の子の誕生と、三魂のおむかえ準備

Author: fuu
last update Last Updated: 2025-12-22 22:45:21

黒涙保護室に設置された“ゆりかご”が、静かに脈打ち始めてから二日後。

王城は、表向きにはいつも通りの穏やかな朝を迎えていた。 だが、その裏側——魔導研究塔の最奥では、誰もが息を詰めて見守っていた。

「……反応、また上がりました」

ユスティアの声は低く、けれど緊張をはらんでいる。 魔導板に映る数値は、確実に“臨界”へ近づいていた。

「つまり……」

私が問いかけると、ユスティアは小さく頷いた。

「はい。影核は、今日か明日にも“誕生段階”へ移行します」

誕生。

その言葉が胸に落ちて、じんわりと広がる。

(……生まれるんだ)

影として。 それでも、確かに“魂”として。

三魂は、ゆりかごの前から離れようとしなかった。

ユキナは小さな椅子にちょこんと座り、 『……でてくる……?』

クロトは影を伸ばし、周囲の魔力を静めている。 『……まわり……あぶない……ボク……みる……』

ルーメは落ち着きなく、ゆりかごの周りをくるくる回る。 『ママ!! いつ!? いつ!? もうでる!?』

「ルーメ、落ち着いて……」

そう言いながら、私自身が一番落ち着いていなかった。

(影の子……どんな姿なんだろう) (怖がらせないかな……ちゃんと迎えられるかな……)

カイラムが静かに近づいてくる。

「エリシア。不安か?」

「……うん。でも……楽しみでもある」

カイラムは小さく笑った。

「それでいい。生まれる前は、誰でもそうだ」

……さらっとすごいこと言った気がする。

◆◆◆

同時刻。

王城の別室では、別の意味で慌ただしい準備が進んでいた。

「影の子が現界した際の環境整備を最優先します!」

ユスティアの指示のもと、

・魔力安定用の結界 ・光と影の干渉を緩和する魔導布 ・感情共鳴を抑える静謐魔石

などなど、専門用語だらけの装置が次々と運び込まれる。

「……これ、出産準備じゃない?」

私がぽつりと言うと、 レーンが腹を抱えて笑った。

「ははは! たしかにそう見えるな!」

リビアは真面目な顔で頷く。

「実際、似たようなものじゃ。魂の誕生など、古代でも祭事級の出来事じゃからな」

「祭事……」

なんだか一気にスケールが大きくなった。

一方そのころ、三魂は——

ユキナ『……このこ……さむくない……?』

と言いながら、白い光を少し強め、

クロト『……あんしん……する……ように……』

と影を薄く広げ、

ルーメ『ママ!! ぬい
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