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Author: 槇瀬陽翔
last update Last Updated: 2025-12-18 18:15:59

ちょっと最近、怒ってます。ウザいんです。メールがね。毎日、送られてくるんです。

『蒼華ちゃん、遊んでよ』

例の不良どもからです。無視してますよ。誰が相手するものか。蒼華は同じ相手を二度も相手しないんです。だからこいつらと遊ぶ気なんてサラサラないんです。でもウザすぎるんです。携帯をぐち壊しそうでかなり危険です。

「蒼樹、お前なんかあったのか?」

でも、翔太に気付かれちゃいました。

「なんでもない。最近、迷惑メールが多くて怒ってるだけ」

とりあえず誤魔化しておきました。

だってさ、心配かけたくないでしょ?

だから誤魔化しておきました。

「その割には機嫌がわりぃなお前」

しまった。この男は俺の変化に敏感なの忘れてたよ。

「ホントになんでもないですよ。またメール」

翔太に返事をしてたらまた、携帯が振動する。携帯を開きメールの中身を見て溜め息をつく。

『大切な話があります。早く帰ってきてください。 母』

俺は携帯を閉じポケットにしまった。

「翔太、俺さ明日休む」

俺は窓の外を見ながら翔太に告げる。

「はっ?なんで?」

行き成りすぎて翔太が驚いた声を出す。

「最後の日が来た。だから休み」

簡潔に伝える。翔太にはそれで伝わるから。

「あ~、わかった。なんかあったら連絡しろよ」

ほらね、伝わったでしょ?

「なんかあったらな」

俺はそのまま机にうつ伏した。

もう俺の答えは決まってるんだ。それを伝えるだけ。もう…解放してくれ…

午後の情業もそっちのけで家に帰ればすでに二人は帰っていた。

俺は溜め息をつき部屋に行き荷物を置くと、2人が待ってるであろうキッチンへと向かった。

「で?話って?」

キッチンの入り口に立ったまま柱に凭れて聞いてみる。まぁ、言わんとすることはわかってるけどさ。

「正式に離婚することにした。さっき二人で届けを出してきた」

俺の方など見ようとしないままで親父が口を開いた。

あぁ、やっぱりね。

「で?俺にどうしろっての?」

2人が離婚したからって今更なにも変わらねぇじゃん。

「お父さんについていくか、私についていくか決めてほしいの」

親父同様に俺の方を見ずにお袋が告げてくる。

よく言うよホントにさ…

俺が帰って来ても一度も見ようとしないくせに…

『おかえり』の一言すら口にしないくせに…

「悪いけど俺はどっちにもついて行かねぇよ。俺がついていっても迷惑なだけだろ?こんなで
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  • 蒼い華が咲く   40

    ちょっと最近、怒ってます。ウザいんです。メールがね。毎日、送られてくるんです。『蒼華ちゃん、遊んでよ』例の不良どもからです。無視してますよ。誰が相手するものか。蒼華は同じ相手を二度も相手しないんです。だからこいつらと遊ぶ気なんてサラサラないんです。でもウザすぎるんです。携帯をぐち壊しそうでかなり危険です。「蒼樹、お前なんかあったのか?」でも、翔太に気付かれちゃいました。「なんでもない。最近、迷惑メールが多くて怒ってるだけ」とりあえず誤魔化しておきました。だってさ、心配かけたくないでしょ?だから誤魔化しておきました。「その割には機嫌がわりぃなお前」しまった。この男は俺の変化に敏感なの忘れてたよ。「ホントになんでもないですよ。またメール」翔太に返事をしてたらまた、携帯が振動する。携帯を開きメールの中身を見て溜め息をつく。『大切な話があります。早く帰ってきてください。 母』俺は携帯を閉じポケットにしまった。「翔太、俺さ明日休む」俺は窓の外を見ながら翔太に告げる。「はっ?なんで?」行き成りすぎて翔太が驚いた声を出す。「最後の日が来た。だから休み」簡潔に伝える。翔太にはそれで伝わるから。「あ~、わかった。なんかあったら連絡しろよ」ほらね、伝わったでしょ?「なんかあったらな」俺はそのまま机にうつ伏した。もう俺の答えは決まってるんだ。それを伝えるだけ。もう…解放してくれ…午後の情業もそっちのけで家に帰ればすでに二人は帰っていた。俺は溜め息をつき部屋に行き荷物を置くと、2人が待ってるであろうキッチンへと向かった。「で?話って?」キッチンの入り口に立ったまま柱に凭れて聞いてみる。まぁ、言わんとすることはわかってるけどさ。「正式に離婚することにした。さっき二人で届けを出してきた」俺の方など見ようとしないままで親父が口を開いた。あぁ、やっぱりね。「で?俺にどうしろっての?」2人が離婚したからって今更なにも変わらねぇじゃん。「お父さんについていくか、私についていくか決めてほしいの」親父同様に俺の方を見ずにお袋が告げてくる。よく言うよホントにさ…俺が帰って来ても一度も見ようとしないくせに…『おかえり』の一言すら口にしないくせに…「悪いけど俺はどっちにもついて行かねぇよ。俺がついていっても迷惑なだけだろ?こんなで

  • 蒼い華が咲く   39

    家に着くと速攻でシャワーを浴びました。だって気持ちわりぃんだもん。ベタベタしててさ。腰にタオルを巻いた格好で出てきた俺はそのまま部屋に行った。だってねぇ、帰ってそのまま風呂場に直行しちゃったから着替えがないのよね。部屋に入って時計を見たら5時だった。 「寝る時間ねぇし」 文句ひとつつきそのまま制服へと着替えることにした。リビングに入りソファの上にカバンと上着を置くとキッチンに行き冷蔵庫の扉を開けた。冷蔵庫の中身を見てしばらく考えてから 「オムレツでも作るか」 材料を取り出し、色々と準備して作り始めた。「一人で食べるのは味気ないねぇ」 なんて言いながら椅子に座って食べ始める。味なんてわかりゃしない。食べれればいい。 「拓ちゃんのオムライスが恋しぃ」 自分で作ったオムレツを口にして思い出したのは拓ちゃんの作ってくれたオムライス。 「ホント…一人じゃ味気ないねぇ」 パンをちぎりながら呟いた。こんなことを口にしたって戻ってこないんだけどさ。冷めたものは冷めたまま。このまま壊れていくんだろうな。永遠に冷めたままで…。俺は何の価値もないままに終わりを告げていくんだろうな…。それならそれでいい。楽な方を選ばせて…。「御馳走様でしたぁ」 俺は食べ終えて食器を片付けていく。一人暮らしが長いとこういうのも慣れちゃうよねぇ。 「あっ、洗濯物もしないと…。ついでに回してっちゃお~っと」 俺は洗面所に行き、洗濯機の中に洗濯物をほおりこむと洗剤と柔軟剤を入れてボタンを押した。帰ってきたら干すだけの状態だしこれで良し。 「後は、何かやらないといけないことあったけ?ゴミは明日だし…買い出し?」 ブツブツと言いながらキッチンに戻って来てもう一度、冷蔵庫を開けて中身を確認した。 「まだ大丈夫か」 自分が食べるだけなら必要な食材は十分にある。なくなるのはパンぐらいか…。米もまだあるし…。ん~、完全に主夫してるね俺。まぁ、しょうがないんだけどさ。「うわ、時間だ」 ご飯食べてからゴソゴソとやってたらバスが来る時間になってた。

  • 蒼い華が咲く   38 家庭崩壊

    夜、俺は久し振りに公園ではなく夜の煌びやかな街へと彷徨い歩いていた。俺を待っていたであろう人物たちが次々と声をかけてくる。「蒼華さん、今夜は私と」「いいえ、私と」「俺たちとも遊ぼうぜ」蒼華の掟。それは相手をするのは一度だけ。だからそれを守れる者しか選ばない。必要以上に迫られるのも面倒だしね。遊び相手なら一度だけでいい。俺はどこにも根をつけない彷徨う蒼い華。だから相手をするのは一度だけでいい。自分で言うのもなんだけど、俺の記憶力は半端なくいい。だから一度、相手をした人物の顔はちゃんと覚えてる。だからそういうのは全部省いていくんだ。だから今夜もそうやって相手を選び彷徨っていた。抱いて、抱かれて、後腐れなく別れて…それが蒼華の俺…彷徨う蒼い華の俺…彷徨う夜の蒼い華…ある程度、遊び歩いて俺は小さく息を吐く。誰かにつけられてる。さっきから気付いてたんだけどね。「めんどくさぁ」俺は家とは反対の方向へと歩いていく。そんな俺の後をゾロゾロと着いてくる。翔ちゃんの言ってた成り上がりの不良グループか。あぁ、翔太に気をつけろって忠告受けなのになぁ。まぁ、しょうがないかぁ。俺はなにも知らないふりをして歩いていく。目的の場所まで…ふむ、ここならいいか。俺が行きついた場所は今は使われていない工場の跡地。ここなら誰にも見られることはないでしょ。まぁ、余計な心配はかけたくないし。あいつらの目的はわかってることだしね。別に初めてじゃないからいいんだけどね。前にもあったことだし。その後で思いっきりぶっ潰してやったけどさ。夜の連中が黙っちゃいない。ZEAが黙っちゃいないのさ。蒼華を守るZEAの連中がね。「そろそろ出てきたらどう?俺になんの用さ」俺は立ち止まって振り返り聞いてみる。その声に反応するようにゾロゾロと数人の男たちが出てくる。「あんたが蒼華なんだろ?俺たちも相手してくれよ」ニヤニヤとしながら言ってくる。あぁ、ホントめんどくさぁ「俺は高いよ?それでもいいならいいけど?好きにしなよ」ホントにめんどくさぁ。好きにしろよ。犯したきゃやりなよ。別にかまわねぇよ。別にこれが初めてってわけでもないしさ。「へぇ、じゃぁ楽しませてもらうぜ」リーダーの男がニヤニヤとしながら男たちに目配せをする。「好きにすれば?」答えるのも面倒だ。男たちは俺の言葉を聞くと我

  • 蒼い華が咲く   37

    「織田は食べないのか?」 突然、後ろから声を掛けられた。 「うわぁ、びっくり。拓ちゃんいたの?俺ね、お昼は食べれないの。原因不明の病気なんだ。お昼に食べると全部、戻しちゃうんだよね」 俺は振り返ってその理由を口にする。自分の事を人に話すなんて翔太以外に初めてだね。 「そうなのか…。手、出してみろ」 深く追求することもなく、言われたとおりに手を差し出せばコロンって飴が幾つか掌に転がった。 「拓ちゃん?」 意味がわからなくて聞いてみたら 「生徒会のお茶菓子の飴だ。これぐらいなら大丈夫だろ?」 拓ちゃんは説明してくれた。持ち歩いてるんだ。飴なら大丈夫だからコクリと頷いたら 「じゃぁな」 拓ちゃんは俺の頭を撫でて行ってしまった。 「もしかして俺のため?まさかね」 その背を見送ってからふと浮かんだ疑問に頭を振り考えるのをやめた。だって、俺がお昼食べれないことを教えたのは今日が本当に初めてだったから。 「偶然だよね」 俺は掌の飴をポケットにしまい教室へと戻った。自分の席に座り机の上にもらった飴を置く。 「優しいね。拓ちゃんも、金狼さんも…」 俺は机の上に置いた飴を一つ取り封を開けて口の中に含んだ。ほんのり飴の甘さが口の中を支配していく。俺はそのまま机にうつ伏して目を閉じた。「蒼樹、起きろ。蒼樹」 そんな声とともに軽く肩を揺すられて目を覚ました。 「ん~、なに?」 目を擦りながら聞いてみれば 「何じゃねぇって。授業が全部終わった。帰るだろ?」 翔太が苦笑を浮かべて教えてくれた。 「あっ、ホントだ。また寝てたよ俺。翔ちゃんノートまた貸してね」 翔太に言われて壁にかかってる時計を見て呟く。ホントに授業態度が悪いよね俺。 「これだからムカつくんだよお前。寝てるくせに頭がいいなんてよ。反則だ。それに強いし。お前に一個も勝てねぇよ俺」 翔太が呟きのように言ってくる。 「ん?妬み?僻み?だってしょうがないじゃん。俺にはその方法しかなかったんだもん」 翔太の言葉に今度は俺が苦笑を浮かべた。 「わかってるよ。そんなことぐらい。ただの愚痴だ。で?今夜はどうするんだ?」 俺の頭を撫でながら聞いてくるその言葉に俺は少し考える。 「ん~。彷徨い華?」 疑問形で答えるけど、それだけで翔太にはちゃんと伝わるからいい。 「あっそ。復活って

  • 蒼い華が咲く   36

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  • 蒼い華が咲く   35

    ピッ、ピピピッ「ん?んん??」 携帯のアラームに気が付き寝惚けたまま目を開けると目の前にキレイな拓ちゃんの顔があってビックリした。 「そうか、昨夜…」 俺は昨夜のことを思いだしジッと拓ちゃんの顔を見た。 「相変わらずキレイだねぇ。拓ちゃん朝だよ」 そう声をかけてみたら、ギュって抱きしめられた。 「た、拓真。時間、着替えに行かないと…」 俺はゴソゴソと動いて抵抗を試みた。 「そうだな、一度帰らないとな」 あっさりと俺を離し拓ちゃんが身体を起こした。 「ありがとうね、拓ちゃん」 俺は彼に向かって呟いた。いつの間にか傍にいてほしい時に俺の傍にいてくれるようになった人。俺が本気で好きになってしまった人…「気にするな。また学校でな」 拓ちゃんは小さく笑い俺の頭を撫でた。 「ん」 ちゃんと返事が出来なかった。寂しいっておもちゃったんだ。 「じゃぁ、帰るな」 拓ちゃんはベッドから降りると自分の持ってきた小物をポケットの中にしまっていく。俺も拓ちゃんを見送るためにベッドからおりて、玄関まで見送る。 「じゃぁ、遅刻するなよ」 拓ちゃんは俺の頭を一撫でしてから帰っていった。ありがとね。本当にありがとう。ほんのひと時でも俺は幸せだよ。俺は部屋に戻るとクローゼットの中から制服を取り出して着替えた。カバンには、昨日持って帰ったきた教科書とノートを入れてから部屋を出てキッチンへと向かう。教科書はまたロッカーいき。 「あっ、缶忘れた」 キッチンの机の上にカバンとブレザーを置くともう一度、自室へと戻り机の上に置いてある缶を持って戻ってきた。飲みかけの缶は中身を捨てて、飲んでない方はもう一度、冷蔵庫の中にしまった。そのついでに朝食のための食材を取り出す。 「あんまり食べたくはないんだけど…ハムエッグぐらいは食べれるかな」 一人呟いてハムエッグを作りながらパンを焼いていく。本当は一人で食べるご飯なんて味気がない。だけど、食べないとヤバいからね俺の場合。これ以上痩せてったら翔ちゃんに何を言われることやら…。俺は自分で作ったご飯をイヤイヤながら食べて、ブレザーに袖を通しカバンを持って家を出た。乗り込むバスはいつもと同じ時間のバス。流れていく街並みをバスに揺られて眺めていた。バスに揺られていつものように学園の前のバス停でおり、いつものように門の

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