それに、自分の罪を棚に上げて俺を批判するとはいい度胸だ!一体どうやって生き延びたのか知らないが、きっと何かからくりがあったに違いない。だが暗殺未遂をバラされたら俺も終わりだ。まさか王太子のこの俺が、ロジータからの侮辱に耐えなければならないなんて。ロジータがルイスの手を取りその場を立ち去ろうとしたのを見て、激しい怒りが湧いた。あれだけ俺を愛していると言っていたくせに、手のひらを返したようにルイスに靡くとは!ああ、分かった!お前がその気なら受け入れてやろう!こんな陰険で傲慢な悪女と別れられて、俺だって清々する!「ああ!いいだろう!お望み通り今すぐ婚約破棄を受け入れ……」だが背後にいたユリが俺を密かに止め、ルドルフォが行動に出ようとする。優秀な側近たちのおかげで目が覚めた。確かにユリの言う通りだ。どうにかしてロジータとルイスの結婚を止めなくてはならない。頭に血が昇って、危うく自らスカルラッティ家の後ろ盾を手放してしまうところだった。ルイスめ!俺にロジータを愛してないだろうと言っておきながら、お前こそロジータを利用するつもりなのだろう!大人しいふりして、俺に反逆を企てていたのか!きつくルイスを睨みつけるが、謝罪する素振りすら見せない。なぜお前がまるでロジータを守る騎士のように振る舞う!ルイスの態度は腹立たしいが、まずはロジータを引き止めるのが先だ。冷静に考えてみれば、ロジータが俺から離れるはずがなかったのに。『エルミニオ様、愛しています。』『なぜリーアにばかり優しくするの?』『私にはあなただけ。』と、あれほどみっともなく俺に縋りついていたじゃないか。今は殺されかけたことを根に持っているだけ。ささいな抗議で、俺を引き留めようとしているのだろう。「はあ。ロジータ。どうせ全て嘘なのだろう?俺の気を引きたいからと、ルイスと手を組んでまでこんな子供じみた嘘を。いくら俺がリーアを愛しているからって、虚言にも程が
Last Updated : 2025-10-02 Read more