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第一章:私とルイスの華麗なる結婚式

Author: Kaya
last update Last Updated: 2025-10-09 20:21:39
ここで一つ。

招待客たちは、ようやくこの場にいない人物のことを噂し始めた。

「そう言えば、式に王太子殿下が参列していないようですね?」

「まさか、招待されなかったのでしょうか?」

「つい最近まで婚約者だったロジータ様が結婚するのですから、わざと参列なさらなかったのでは?」

「だからと言って、実の弟の結婚式に王太子が参列しないのは前代未聞ですよ。』

想像以上に皆の声は大きく、祭壇前にいる私とルイスの耳にも届いた。

狙い通りね。

人々の噂が飛び交うなかで私は口角を上げ、ルイスに目配せをした。

ルイスもまた、大神官に気づかれない程度の笑みを浮かべた。

私たちは、無垢な子供のように笑い合った。

エルミニオに結婚式を台無しにされないようにと手を打った、ダンテとの取引き。

内容は、結婚式の開始時間と会場を変更したという嘘——————。

それが今、エルミニオが結婚式に現れない最もな理由。

真相は私とルイス、ダンテ以外誰も知らない。

「ダンテ様がうまくやってくれたみたいね。」

あの時、私はダンテにこう提案した。

『ダンテ様は、私が用意した手紙をエルミニオ様に渡してください。

何気ないこの1通の手紙が、私たちにとって最も重要な鍵になるでしょう。

ただし、ダンテ様が私たち側に寝返ったと気づかれると、計画に支障が出てしまいます。

ですから当日、私とルイスの結婚式を妨害するように彼らを唆してください。

ダンテ様は何も知らないふりをして、式を壊すためのあれこれを画策してください。

そのようなことが、ダンテ様は得意ですよね?』

腹黒い性格は把握していますよ、と私はダンテを脅すように微笑んだ。

この男は、どうせできないだろう?と言われるほど燃えてくるタイプだ。

煽れば煽るほど面白いくらい動いてくれるだろう。

ダンテは数回瞬きをし、上品な笑みを浮かべた。

『手紙1通で何ができるのか分かりませんが、いいでしょう。

気に入りました。

私はエルミニオに手紙を渡し、式場の妨害工作を考えればいいわけですね。』

『そうです。

成功すれば、約束通り5倍の報酬をお支払いしましょう。』

王宮で最も廃れた庭園。

私とダンテは互いに少しも目を逸らすことなく、微笑みあった。

赤く染まった夕日が静かに沈むなかで、彼と私の金髪が同調するように風に揺れた。

ダンテ、まさか思いもしな
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