一方、要は暁から受け取った毛布で想花を包み、地面から抱き上げた。そして想花の頭に手をやり、ぐっしょりと濡れた髪を優しく撫でた。天音は想花を取り返そうと要に近づいた。しかし、要の冷たく突き放すような視線に、その場で足がすくんでしまった。要の目が、すごく怖い……想花はいたずらっぽく、愛莉に向かってべーっと舌を出した。そして、要の耳元に顔を寄せ、小さな声でこっそり囁いた。「パパ、彼女をバカだなって笑ってるの」要は毛布の端で想花の濡れた髪を拭いてあげながら、落ち着いた眼差しで振り返った。「もっとおバカさんがいるみたいだね」天音の表情がこわばった。その言葉は、自分に向けられたものだとすぐに分かったからだ。その時、恵里が蓮司の隣に歩み寄り、愛莉に毛布をかけてあげた。「天音さん、あなたの娘さんがうちの子をプールに突き落としたせいで、うちの子は溺れ死ぬところでしたよ。この件、どう責任を取ってくださるのですか」「想花は、そんなことをする子じゃない」ハイヒールを脱いでいた天音の背丈は、要の胸元にも届かなかった。それでも天音は、その小柄な体で要と想花の前に立ちはだかった。愛莉は興奮のあまり声を張り上げた。「プールサイドにいたのは、私とこの子だけよ!この子が押したに決まってる!」「天音さん、愛莉は無事だったから、私も事を荒立てたくはありません。でも、こんなに小さい頃から根性が悪いなんて、ちゃんとしつけないと、ろくな大人になりませんよ」その瞬間、要は恵里に視線を向けた。その眼差しは、刃物のように鋭かった。「誰の娘がろくでなしになるって言ってるの?」天音はカッとなって言い返した。「あなたの娘さんがうちの子に謝れば、こちらも事を荒立てるつもりはありませんわ」恵里はそう言うと、蓮司の腕を引いた。「蓮司さん、何か言ってちょうだい」蓮司は恵里の手を振り払った。そして天音の怒りに満ちた目を見つめ返したが、何も言わなかった。周りからは、ひそひそと話す声が聞こえてくる。「プールサイドにいたのは二人だけなんでしょ?一人が落ちたってことは、もう一人が押したってことじゃない?」「でも、遠藤隊長の娘さんの服も濡れてるみたいよ」そんな声が、途切れ途切れに耳に入ってきた。「証拠を見せなさい!」天音は一歩も引かなかった。「証拠がないなら、あな
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