三つのライチのうち、一つは皇太子へ、もう一つは周歓の両親のために。 そして、残る最後の一つは言うまでもなく、深宮の塀の内で、首を長くして待ちわびているであろう、あの愛しい人のために取っておいたものだ。 半月が過ぎようとしているのに、蕭晗はいまだ周歓との再会を果たせずにいた。周歓が昇進したばかりで雑務に忙殺されていると知り、軽率に訪ねていくこともままならない。毎夜一人灯火を眺めながら、独り寝の寂しさに眠れぬ夜を過ごしていた。 夜がふけ、永楽殿が静寂に包まれた頃、衣をまとったまま横になった蕭晗の耳に、不意に聞き覚えのある口笛が響いた。蕭晗は弾かれたように起き上がり、靴を履く間も惜しんで裸足のまま殿外へ駆け出した。 音を頼りに永楽殿の外へ出ると、口笛は唐突に途絶えた。茫然と周囲を見回し、幻聴かと思いかけたその瞬間、背後から忍び寄った周歓が、勢いよく彼を抱きしめた。 「捕まえたぞ、陛~下~」 蕭晗は低く驚きの声を漏らすと、すぐさま甘えているのか、あるいは怒っているのか判然とせぬ声で罵った。 「無礼者め……なんと大胆な。放さぬか」 ようやく想い人に会えた喜びで胸が張り裂けそうだったが、生来の照れ屋である蕭晗は、待ち焦がれていた心を周歓に悟られたくなかった。抱きついて積もる話をしたい気持ちは山々なのに、どうしても意地を張ってしまい、口をついて出るのは恨み言ばかりとなる。 周歓は蕭晗が本気で怒っていると思い、申し訳なさそうに、しかし気まずげに彼の腰に手を回した。 「陛下、お許しください。あまりに長らくお会いできなかったものですから、つい興奮してしまい……」 「長らくとはどれほどだ? 何日会わなかったと申す」蕭晗の声には、まだ怒気が混じっている。&nb
Last Updated : 2025-12-04 Read more