その後も夜会という夜会であの女の狙いと思わしき男のダンスに誘われ、踊りながらあの女の醜聞を伝えた。 全く、あのくらいのことで顔色が悪くなったり、体調不良になったり弱々しすぎるわよ! あの女の本丸かな? 今日は主催者が殿下の夜会。 気合いを入れて行こー!おー! 「モミジ、大丈夫なの?」「今までの男のだらしないことこの上ない!ちょっと醜聞を聞いただけで顔色を変えて、噂の『かめれおん』ってやつ?は虫類らしいけど」 まあ、モミジの好みはドーンとしたしっかりとした男の人という事ね。チョットやそっとじゃ動揺しない人か。 「何なの?今夜も貴女がいるの?」「あら?私がどの夜会に出席しようとも自由でしょう?」 そう言って私は颯爽と会場に入った。 流石に凄いわね。アレは…しゃんでりあってやつかしら?全部がらすなのよね?掃除が大変そう。食事も美味しそうだけど、まずは様子見でいつもどおり壁の花で様子を見ましょう。 あれ?私をチラチラ見る男女が多数いるけどなんで、これでも耳もいいんです。野山で育ったし。 「今まで何回も子供を産んでるって、その度に衰弱死させているらしいわよ?」「私が聞いた話だと敵対する華族に貢がせたとか?」 何よそれー!全部あの女のことじゃない‼ウワサの出所は間違いなくあの女の実家でしょうね。何もこの夜会でひそひそ言わなくても。否定すると逆に話が長くなるし、下手すると里の話にまでなるから、放っておきましょう。 けたたましい喇叭の音と共に殿下が現れた。 はぁ、この殿下もあの女の毒牙にかかるのか…。不憫。 その時壁の花になっていた私の元に殿下がやってきて、ダンスを申し込まれた。「私には多くの噂が付きまといますが、それでも私でいいのですか?」「私は其方が良いのです。私と1曲踊ってくれませんか?」 その後、私は殿下と踊りました。「殿下にまず伝えておきます。噂は事実無根。私とは関係ありません。関係あるのはあそこにいる、商家の娘ミドリ嬢です。噂は全てミドリ嬢について言ったものです」 その後も他の夜会でも伝えたような事を殿下に伝えました。「それが事実ならばミドリ嬢の実家を調査せねばならないな」 よしっ!これでミドリは社会的に抹殺よ。「あっ、証拠が隠滅されないように、抜き打ちで調査に行くことをオススメします。それと、あの家
Last Updated : 2025-09-01 Read more