二人は楽しげに、勝手に決めつけて盛り上がっていた。六時半、静寂を破って、病室のドアがノックされた。胡桃が笑みを浮かべてドアを開けに行く。「きっと樹ね。今日は見直したわ。結構早く来て……」ところが言葉は途中で途切れた。ドアを開けると、そこにいたのは潤だった。潤は昨日と同じ重箱を手に、胡桃を見下ろしている。その眼差しには、すがるような色が混じっていた。「朝食を届けに来た。それから……彼女と少し話をさせてほしい。話したらすぐ帰るから」胡桃は彼の無駄にいい顔を見て、正直、一瞬心が揺らいだ。悔しいけれど、潤のルックスは本当に反則級だ。樹よりも数段、男としての格が上だ。胡桃は危うく絆されそうになったが、すぐに正気に戻り、首を横に振った。「駄目!アキはあなたを見ると気分が悪くなるの」視線を落とす。「これ、昨日の残り?」「違う」潤が慌てて否定する。「今朝、作りたてだ。少し食べてくれ」胡桃は結局根負けして、重箱を受け取った。「食事は預かるけど、やっぱり中には入れないわ。アキの病気が完治したら、その時正々堂々と会いに行けばいいじゃない」その時、明里が潤に会うかどうかは、アキ自身が決めることだ。潤は重箱を渡し、低い声で言った。「分かった。じゃあ、彼女をよろしく頼む。今日はどうだ?まだ熱は?」「もう下がったわ」胡桃が答える。「朝、看護師が来て、明日には退院できるって言ってた」「それは良かった」潤は、自分が明里を病院に連れてきたのに、会うことすら許されない現状を思うと複雑だった。もちろん力尽くで押し入ることもできる。だが、その先に待っている結末は、考えたくもない。明里とやり直したいなら、彼女に敬意と配慮を行動で示すしかない。だから無理に粘ることはせず、胡桃にいくつか細かな頼み事をして去っていった。病室に戻ると、胡桃が重箱を開けた。中の料理はどれも食べるのが惜しいほど美しく、湯気が食欲をそそる。「ふと思ったんだけど、潤って男も悪くないかもね」胡桃が独り言のように言う。「性格はさておき、スタイルは最高峰よ。三年も一緒にいて、変に手垢がついてないしね」明里は胡桃ほど明け透けではない。こういう際どい話題には、どうしても頬が赤くなる。慌てて話題を変えた。「何が入ってるの?お腹空いた」「色々あるわよ。全部
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