智輝のプロポーズから約半年が過ぎた、ある週末の朝。 結菜のアパートに、また桐生家から大きな荷物が届いた。中には、季節に合わせた上質な子供服がたくさん詰まっている。送り主の名前は書かれていないが、誰からの贈り物かは明らかだった。「わーい! おばあちゃんからだ!」 樹は、箱の中から真新しいポロシャツを見つけると、すぐに着替え始めた。 鏡子の選ぶ服は、相変わらず少しフォーマルすぎるところがある。けれど雅臣の選んだであろう、動きやすくて丈夫そうな服もちゃんと混じっている。その不器用な気遣いが、結菜の心を温かくした。 樹はすっかり「おじいちゃんとおばあちゃん、ひいおじいちゃん」を認識していて、ビデオレターでお礼を言うのも習慣になっていた。「樹、似合っているよ」 結菜がシャツの襟を整えてやると、樹は鏡の前で得意げに胸を張る。「うん! かっこいい!」 息子の屈託のない笑顔を見つめながら、結菜はふと呟いた。「……そろそろ智輝さんのご両親に、きちんとご挨拶に伺うべきなのかもしれないわね」◇ そして、その数週間後。 智輝の運転する車が、重厚な桐生家の門の前に停まった。結菜は隣で車のハンドルを握る智輝を見つめて、緊張の面持ちである。 これから鏡子と顔を合わせる。和解したとはいえ、彼女の心にはまだ拭いきれない硬さがあった。 重厚な桐生家の門が開いていく。結菜はその先に広がる広大な庭園と、風格のある本邸の建物を見つた。(さすがにすごいお屋敷だわ) 無意識のうちに手を固く握りしめてる。智輝が、そんな彼女の様子に気づいた。「結菜」 優しい声に呼ばれ、結菜ははっと智輝の方を見た。「緊張しているか?」「少し。いえ、かなり……」 結菜が正直に答えると、智輝は苦笑した。「無理もないな。……すまない。俺の家族のことで、君に
Last Updated : 2025-12-04 Read more