「なら、お父様……。今回の事件が明るみに出る事を恐れて……速水家がまた何かをしてくる可能性が高いですよね?」 「……その可能性は否定できないな」 「今日の昼に、病院で谷島さんとお会いして、聞いた事があるんです。……速水家がそういった組織と繋がっているかは分からないけど……裏で、汚れ仕事を請け負う組織があるって。これから、速水家がそういった組織と関わりがあるかどうかを調べる、と言っていました」 「──っ、そう、か……谷島刑事が……」 お父様の反応に、私はお父様がそのような組織が存在している事を知っていたのだ、と分かった。 お父様は、藤堂家の当主だ。 お祖父様から引き継ぐ際に、色々とお話をされたのかもしれない。 私の話を聞いても、お父様の顔色は全く変わらず、そんな組織がある事を既に承知のようだった。 「藤堂家は、歴史が長いですものね……。お父様にしか分からない事が沢山あると思います。……ですが、私も将来、婿を取り、この家を継いで行く身です。お父様、全てとは言いません。今、必要な事を教えてください」 「──茉莉花」 お父様は、私の真剣な目を見て一瞬言葉を噤む。 逡巡していたようだけど、私の言葉を受け止め、真剣な表情に変わると口を開いた。 「……そうだな。今、藤堂の血を引いているのは私と茉莉花だけだ。私に何かあった時のために茉莉花にも藤堂の大事な歴史を伝えておく」 「お願いします……!」 そして、私とお父様は書斎で長い時間、話をした。 ◇ 翌朝。 私は自室のベッドで両頬を軽く叩くと、鏡に映る自分をじっと見つめた。 目の下には隈ができている。 昨夜は、書斎で遅くまでお父様とお話をしていた。 そのため、睡眠不足で血行が悪く、顔も青白い。 「……メイクで隠れる程度で良かった」 お父様との話し合いの結果、今日は私は会社に出社する。 私が会社で仕事を。 お父様は、今日は1日お母様の検査に付き添うために会社を休んだ。 病院なら、苓さんが手配してくれた護衛がいるし、お父様本人にもしっかりと護衛がついている。 お父様がお母様に付き添ってくれていれば、お母様もお父様も安全だ。 きっと、私はすぐには狙われないと思う。 苓さんが事故に巻き込まれたあと、私に送られてきたメール。 あれは、恐らく涼子だ。 涼子は、私の周りにいる人達を狙っ
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