颯side家に帰ると璃子はドタバタと大きな音を立てて俺のいる玄関まで来て、すごい剣幕で詰め寄ってきた。「どういうこと?おじいちゃんに玲央の事を話したでしょ?お母さんから電話がかかってきたんだけれど!」「璃子が話さないから、お互い認識の違いがないか確認したまでだよ。」俺が冷たく答えると、璃子の怒りはよりヒートアップしたようで早口でまくし立てるように言葉を放ってくる。「玲央は関係ないって何度も言ってるじゃない!」「それなら、なんで婚約後も会った?今も繋がっていたりするんじゃないのか?」「……そんなことないわよ。」一瞬の間が空いてから、璃子は否定したが先程の勢いは弱まっている。「本当か?今、本郷さんに電話を掛けて確認しても構わないんだな?」「私を疑っているの?そんなことして誰が得するというの?」損得の問題ではないはずだが、璃子の言っていることは支離滅裂で矛盾している。そのことが、玲央との関係がまだ続いていることを確認した。
Last Updated : 2025-11-01 Read more